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「関税爆弾」の直撃受けた韓国鉄鋼、対米輸出限度が解除されたのはチャンス

登録:2025-03-14 06:41 修正:2025-03-14 07:50
2025年3月11日、メキシコのアポダカで労働者たちが金属機械部品工場の鉄筋の近くに立っている/ロイター・聯合

 対米鉄鋼輸出国4位の韓国は、25%の関税賦課で打撃が避けられなくなった。無関税だった韓国製の鉄鋼に関税が課せられると、米国製の鉄鋼に比べて価格競争力が低下する。しかし、危機の中でもチャンスはある。これまでは年間263万トン(一部例外品目を除く)まで無関税であることに加え、それに関連するものに輸出量が制限されてきた。対米鉄鋼輸出量に対する限度がなくなれば、国内の鉄鋼企業には高付加価値商品などを中心に米国への輸出をさらに拡大できる新しいチャンスも開かれる。

 韓国の昨年の対米鉄鋼輸出量は281万トンで、カナダ(656万トン)、ブラジル(450万トン)、メキシコ(352万トン)に次いで米国内4位の輸出国となった。韓国は2018年からクォーター(輸入制限物量)を受けたことで年間263万トンまで鉄鋼の輸出が可能であり、これらに無関税が適用された。また、米国内の需給が難しい一部の鉄鋼品目については別途の許可を受けて輸出をしてきた。昨年の年間輸出量が263万トンを上回ったのはそのためだ。

 しかし、第2次トランプ政権が輸入鉄鋼の免税措置を廃止し、韓国にも12日(現地時間)以降は対米鉄鋼輸出に25%の関税が適用される。米国内で韓国製の鉄鋼が米国製より高くなる可能性があり、韓国の対米鉄鋼輸出量の減少につながりかねない。また、これを防ぐために韓国製鉄鋼の輸出価格を以前と同じように維持するためには、国内の鉄鋼企業が「25%の関税費用」を自ら負担しなければならない損害を受け入れなければならない。

 一方、危機の中でチャンスを模索すべきだという分析もある。まず、米国製の鉄鋼の価格が上昇している。米国中西部の熱延鋼板の価格(先物基準)は6日、1トン当たり922ドルで年初(1月2日・708ドル)に比べ30.2%値上がりした。米国の鉄鋼企業も関税の施行に乗じて価格を引き上げているためだ。この流れが続けば、韓国製の鉄鋼の価格競争力が維持される可能性がある。

 輸出制限の解除もチャンスと言える。これまで韓国の鉄鋼企業は年間263万トンの範囲内で割り当てられた量以上は米国に輸出できなかったが、これからは限度がなくなる。昨年の製品別の対米鉄鋼輸出は、板材類(47%)、鋼管(38.8%)、棒鋼類(7.1%)などの順で多かった。鉄鋼業界では、米国内の液化天然ガス(LNG)市場が拡大しているだけに、関連の特殊鋼板など高付加価値のある鉄鋼機材の輸出をさらに増やすチャンスが生まれるとみている。

 米国の鉄鋼関税がすべての国に例外なく適用されるという点も注目に値する。鉄鋼輸出国はいずれも同じく25%の関税が課せられるため、(同じ条件で)競争することになる。米国の鉄鋼市場における輸入の割合は30%だ。鉄鋼業界の関係者は「米国内の輸入鉄鋼の需要をめぐり韓国の競争相手はカナダ、ブラジル、メキシコだが、これらの国に対する関税も韓国同様に引き上げられる」とし、「輸出国間の条件が同じだという点は幸いだ」と語った。この日の株式市場ではポスコホールディングスの株価が前日より5.9%上がった31万4000ウォン(約3万1800円)で、セア製鋼の株価は4.91%上がった27万8000ウォン(約2万8200円)の終値を記録した。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1186695.html韓国語原文入力:2025-03-12 21:43

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