憲法裁判所は13日、チェ・ジェヘ監査院長とソウル中央地検のイ・チャンス地検長ら3人の検事の弾劾を、8人の裁判官の全員一致で棄却した。主要事件の処理を終えた憲法裁は、来週中に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾事件で判決を言い渡すとみられる。
チェ監査院長は、チョン・ヒョンヒ元国民権益委員長を標的とした監査▽大統領室と官邸の移転に対する手抜き監査と国会による資料閲覧の拒否などの理由で弾劾訴追されていたが、憲法裁はこの日、「重大な憲法違反はない」としてこれを棄却した。憲法裁は、チェ院長がチョン・ヒョンヒ国民権益委員長らの服務に対する監査後に、監査報告書の決裁を主審委員の決裁なしでも可能にしたことは違法だと判断した。また、国会法制司法委員会による大統領官邸移転についての監査会議録の閲覧要請を拒否したことも違法だと判断した。ただし、大統領官邸に関する監査で手を抜いたという疑惑は証拠がないと判断し、前政権を標的とした監査だとの批判を生んだ西海(ソヘ)公務員射殺事件の監査については、監査院の捜査依頼は適法だと判断した。憲法裁は、チェ院長の違法行為を一部認めつつも、「罷免するほど重大な憲法違反や法律違反には当たらない」と判断した。
憲法裁は、ドイツモーターズ株価操作事件にかかわったキム・ゴンヒ女史の捜査で手を抜いたとの理由で弾劾訴追されたイ地検長らソウル中央地検の3人の検事の弾劾事件も、「裁量を乱用したとか、法律に違反したとみなすことはできない」として棄却した。しかし、株価操作の共犯者の刑事裁判でキム・ゴンヒ女史名義の証券口座が相場操作に利用されていたことが明らかになったとして、イ地検長らが「証拠を収集するために適切に捜査し、捜査を指揮・監督したかについては、多少疑問がある」と述べた。また「虚偽ブリーフィング」疑惑についても、裁判所による家宅捜索令状の棄却のせいでキム女史の強制捜査はチェ・ジェフン反腐敗捜査第2部長にとって難しかったと受け取られるよう「誤解の余地」を与えたと指摘した。
憲法裁はまた、検事の弾劾が乱発されているとの主張については「国会の弾劾訴追案の採決の過程で必要な法定手続きが順守されているとともに、被訴追者の憲法ないし法律違反行為が一定水準以上説明」されているとして、「政治的目的や動機が内包されているとしても、弾劾訴追権が乱用されたと断定することはできない」と述べた。野党による議会権力の乱用だとの尹大統領側の主張を、結果的に一蹴したかたちだ。