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戒厳業務の総括者も驚いた布告令「『専攻医の処断』など演習でも見たことない」

登録:2025-02-21 06:35 修正:2025-02-21 08:21
尹錫悦大統領が2024年12月3日夜、緊急国民向け談話を発表し、「憲政秩序のために非常戒厳を宣布する」と述べている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 非常戒厳業務を総括する合同参謀本部の戒厳課長が、「大統領の署名入りの公告文」など戒厳の手続きに必要な書類を「見ていない」と検察に陳述したことが分かった。戒厳開始から「手続き上の不備」があったという意味だ。戒厳課長は布告令の一部の条項について「演習でも入れたことのない内容」と検察に述べた。

 19日のハンギョレの取材の結果、合同参謀本部のクォン・ヨンファン戒厳課長(大佐)は昨年、検察非常戒厳特別捜査本部(本部長:パク・セヒョン高等検察庁長)の取り調べで、「戒厳を宣布するためには大統領の署名入りの公告文が必要だ」とし、「署名入りの公告文を見ていない」と陳述した。

 クォン課長の説明によると、国防部で大統領の公告文を戒厳課に渡せば、戒厳課はその公告文をもとに布告文を作成する。作成された布告文は、法務検討を経て、戒厳司令部基調室長、戒厳司令部参謀長、副司令官、司令官の決裁を受け、布告令として各機関に送られる。

 クォン課長は「戒厳はすべての手続きが合法的でなければならないため、段階ごとに法務検討を受けなければならない」とし、「布告令の作成開始は大統領の公告文と戒厳司令官の布告文だが、まだ(戒厳司令官と大統領の)署名がなされた布告文と公告文を見ていない」と答えた。きちんとした手続きなしに戒厳が進められたということだ。

 また、クォン課長は「戒厳司令官、副司令官、合同捜査本部長の任命は大統領が行うものだが、任命状も見たことがなく、合同捜査本部長がヨ・インヒョン前防諜司令官という事実も、状況がすべて終わってから聞いた」と述べた。

 クォン課長は布告令の内容にも疑問を呈した。「国会、政党などの一切の政治活動を禁止」した布告令第1号の内容について、「戦時戒厳に備えて演習をする際も、そのような文言を入れたことがないが、何を根拠にそのような内容を挿入したのか疑問」だと語った。「専攻医を処断」の内容については「練習状況でもこのような形の布告文の条項を入れたことがない」と明らかにした。

 クォン課長は非常戒厳の解除が議決された後、当時のパク・アンス陸軍参謀総長(戒厳司令官)に「法令上、直ちに戒厳を解除しなければならない」と話したが、むしろパク総長から「そんなことを助言するのではなく、事(戒厳)が進むように動くべきなのに、仕事がなっていない」と叱責されたとも述べた。

 また、パク総長は非常戒厳解除が議決された後、「戒厳状況室の構成がなぜこんなにうまくいかないのか。部隊はすでにできたというのに、今年演習を2回もしたと聞いているが、なぜ早く構成できないのか」とクォン課長を再度叱責したという。これに先立ち、パク総長は国会などで、2次戒厳を準備するなどの積極的な行為はしなかったと主張したが、実際には戒厳が解除された後も、担当者を叱責し状況室の構成を催促したことが明らかになった。

クァク・チンサン、チョン・ヘミン、ペ・ジヒョン、カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1183217.html韓国語原文入力:2025-02-19 21:08
訳H.J

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