原文入力:2010-06-18午後05:22:19(1946字)
‘非結晶質酸化アルミニウム’疑惑関連
当初発表覆す国会答弁 出てきた
ハ・オヨン記者
<ハンギョレ21>は天安艦、民・軍合同調査団(以下 合調団)が‘魚雷爆発による沈没’の科学的証拠として発表した天安艦船体および魚雷部品の吸着物質分析結果に疑問点があると報道した(815号表紙の話‘魚雷爆発物質はない’参照). これと関連して合調団が当初公式発表で提示した吸着物質分析資料に誤りがあったことを認めた。これは合調団調査結果に対して提起されてきた‘科学的疑問’が事実であることが明らかになったことであり再調査要求が一層力付けられることになった。
追加調査し新たに発見した?
論議が始まったのは合調団が公式発表した天安艦船体および魚雷部品の吸着物質分析で異常な点が捉えられたためだ。合調団資料によれば、吸着物質に対するエネルギー分光器分析ではアルミニウムが検出されるのに、エックス線回折機分析ではアルミニウムが見られなかった。アルミニウムは魚雷爆発体に必ず入る物質だ。合調団はこれに対しアルミニウムが爆発と冷却をたどりながら非結晶質アルミニウム酸化物に変わり、この非結晶質酸化物はエネルギー分光器ではアルミニウムと認識されるがエックス線回折機分析ではアルミニウムとして現れないと説明した。
だが、イ・スンホン米国バージニア大教授(物理学)は爆発と冷却によってアルミニウムが100%非結晶質アルミニウム酸化物に変わることは不可能だと指摘した。魚雷爆発体のアルミニウム成分の相当部分が非結晶質酸化物に変わらないためにエネルギー分光器はもちろんエックス線回折機分析でもアルミニウムが検出されなければならないということだ。イ教授は「合調団の発表のようにアルミニウムが100%酸化される確率は0%に近く、その酸化されたアルミニウムが全て非結晶質になる確率もまた0%に近い」と説明した。彼はこういう事実を立証して見せるために6月10日に直接実験を進行し、その結果が<ハンギョレ21>に単独報道されたのだ。
こういう状況でイ・ギボン合調団爆発分科長(准将)は去る6月11日、国会天安艦・真相調査特別委3次会議でイ・ジョンヒ民主労働党議員の質問を受け「最初の検査では非結晶質酸化アルミニウムだけが検出された。その時、結晶質酸化アルミニウムを発見できないのは極少量が検出されたため」としつつ「後で‘なぜ非結晶質だけ検出されるか、結晶質も出てこなければならない’という疑惑が提起され追加調査を行い極少量の酸化アルミニウムが発見された」と答えた。
合調団のこういう態度変化は自身が出した科学的資料と説明を自ら否定したわけだ。すなわち、合調団は5月20日調査結果発表で「爆発前後にアルミニウムの溶解と急冷却でアルミニウムが非結晶質アルミニウム酸化物に変わった」とし「これが爆発の決定的証拠」と明らかにした経緯がある。エックス線回折機分析でアルミニウムが検出されなかったのがむしろ道理に合うという態度であった。
結局、アルミニウムが爆発によって100%非結晶質酸化物に変わることはできないという科学的事実さえ分からないまま、ごり押し論理で調査結果を合理化しようとしていたわけだ。合調団は今になって「爆薬が爆発し爆発材が形成された時は結晶質酸化アルミニウム、非結晶質酸化アルミニウムが同時に検出されるということと(その量は)きわめて微量ということを確認した」(6月11日イ・ギボン准将の国会返事)と言う。
合調団の自己否定的解明にもかかわらず、疑問は相変わらずだ。まず魚雷爆発の時に結晶質酸化アルミニウムが合調団の1次分析で確認することが難しいほど極少量だけ出てくるか否かだ。また、どの程度に極少量であればエックス線回折機分析で全く検出されないのかも解決しなければならない疑問だ。
‘最も科学的な根拠’が翻意されて
言論3団体が構成した‘天安艦・真相調査言論報道検証委員会’のノ・ジョンミョン責任検証委員は「合調団の船体、魚雷、模擬爆発実験吸着物分析結果は合調団が出した調査結果中で最も科学的な根拠と自ら主張したこと」としながら「これを翻意した以上、天安艦事件調査全般に対する疑いを解くには民間人で調査団を新しく構成し初めから調査するべきで、国政調査と聴聞会なども必ず同時に成されなければならない」と話した。
<ハンギョレ21>ハ・オヨン記者 haha@hani.co.kr
原文: 訳J.S