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チョン・デセの涙…北韓 負けたがよく戦った

登録:2010-06-16 09:08

原文入力:2010-06-16午前08:03:16(2350字)
2ゴール喫したが105位が1位に1発見舞う

密集守備・奇襲攻撃でブラジル苦しめる

キム・ギョンム記者

←国歌が演奏される間、涙を流すチョン・デセ選手. APニューシス

競技開始前、北韓国歌が演奏されるとチョン・デセ(川崎フロンターレ)はワールドカップ本戦舞台に初めて立ったという感激のためか、こみあげる涙をこらえられなかった。断髪をし必勝の闘魂で乗り出した彼の姿も印象的だった。
主審のホイッスルが鳴り国際サッカー連盟(FIFA)ランキング1位‘サンバ軍団’ブラジルとぶつかった105位の‘千里馬’北韓選手たちは全く萎縮しなかった。攻撃型ミッドフィルダー ホン・ヨンジョ(FKロストプ)は速い動きでチョン・デセに空間を作り、威嚇的なシュートまで浴びせた。

15日夜(現地時間)ヨハネスブルク エリスパーク競技場で開かれた2010南アフリカ共和国ワールドカップG組1次戦。‘死の組’2戦目競技で北韓がブラジルをむかえ善戦したが1-2で惜敗した。北韓は後半10分、右側フルバック マイコン(インターミラン)に先制ゴールを許したのに続き、後半27分にはエルラヌ(カラタサライ)に追加ゴールまで喫した。しかし後半44分、チ・ユンナムが相手陣営に爆発的に食い込みペナルティエリア左側から痛烈な左足シュートでゴールを決め強い印象を残してくれた。

←北韓のチ・ユンナム選手がブラジルを相手にゴールを入れている。 APニューシス

ブラジルは死の組4チームの中で真っ先に勝点3を得て単独先頭に躍り出た。先立ってポート エリザベスのネルソン・マンデラ ベイ競技場で開かれた同組競技ではポルトガルとコートジボアールが0-0で引き分けた。

■ 5-4-1対4-2-3-1

北韓のキム・ジョンフン(59)監督はこの日、チョン・デセを最前方に配置する5-4-1フォーメーションをとった。パク・ナムチョル-アン・ヨンハク-ホン・ヨンジョ-ムン・インククがミッド フィールドの責任を負い、チ・ユンナム-リ・グァンチョン-リ・ジュンイル-パク・チョルジン-チャ・ジョンヒョクが守備、リ・ミョングクが守門将(ゴールキーパー)席に入った。5-4-1は攻撃時には5-3-2に変形されもした。

ブラジルのドゥンガ(47)監督はルイス パビアヌ(セビリャ)をチームトップ、ホビニュ(サントゥス)-カカ(レアル マドリード)-エルラヌをその後方、チウベルト シウバー(パナティナイコス)とペルリピ メルル(ユベントス)をダブルブランチに配置する4-2-3-1戦術で北韓攻略に出た。フォーバックはミッシェル パストゥス(オルレンピク リヨン)-チュアン(ASローマ)-ルシウ(インターミラン)-マイコンが引き受けた。ゴール門はジュリウ セジャル(インターミラン)が守った。

■ブラジル前半 ボール占有率66%‘圧倒’

ブラジルは前半序盤から急がずにテンポを調節しながら特有の技術サッカーで北韓を威嚇した。しかし北韓守備は頑強でブラジルは攻勢をかけたがゴールをやぶることができず苦しんだ。ホビニュは神技に近いドリブルで何度も機会を作り、威嚇的なシュートを放った。しかし、北韓キーパー リ・ミョングクがよく防いだ。ブラジルは前半だけでシューティング9個に有効シューティング3個を放ったが、27分マイコンの強い右足中距離シュートがリ・ミョングクに阻まれるなどゴールチャンスを生かすことができなかった。

←シュートをしているチョン・デセ選手. APニューシス

■チョン・デセ-ホン・ヨンジョの闘魂

北韓の奇襲攻撃も猛烈だった。ホン・ヨンジョがミッドフィールドでボールを捉え素早く浸透するチョン・デセにつないだ。チョン・デセは前半10分、相手陣営右側ミッドフィールド付近でシウバー、パストゥス、チュアンなど3人の守備の林を突き抜けゴール前に入り込み強力な右足シュートでゴールを威嚇した。北韓は前半6個のシューティング(有効シューティング2個)を放ったが大部分が中距離砲でゴールを大きくはずれた。

■サンバサッカーの真髄

両チームは荒々しいタックルや非紳士的な行為をせずフェアプレイを繰り広げた。ブラジルは後半に入るや、より一層猛烈に北韓を追い詰め、10分に華麗なパスで先制ゴールを作り出した。エルラヌがミッドフィールド右側付近から長くペナルティエリア右側に球を刺しこみ、マイコンが全速で殺到し角度のないゴールエリア右側からゴール右側にけり入れた。シュートがとても速くリ・ミョングクが手を使う間もなしに球が左に吸い込まれた。27分にはホビニュがミッドフィールド中央からペナルティエリア右側に食い込むエルラヌに速いボールをつなぎ、エルラヌは落ち着いてインサイドキックで左側ゴールを決めた。 ブラジルはホビニュのドリブルとパスが特に光彩を放った。

北韓はしかし、後半終盤に気勢を上げ反撃を加え、ジ・ユンナムの挽回ゴールに慰められた。北韓はこの日、ブラジル ゴール前に11個のシューティング(有効シューティング3個)を浴びせるなど強い攻撃力を見せた。ブラジルはボール占有率63%で上回り26個のシュート(有効シューティング10個)を放ち優勝候補らしい面目を見せた。北韓は21日(夕方8時30分)ケープタウンでポルトガルと2次戦を行う。

ヨハネスブルク/キム・ギョンム先任記者 kkm100@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/ISSUE/67/425882.html 訳J.S