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韓銀総裁「韓国の今年の成長率、やや下がる見通し…為替相場の予測は難しい」

登録:2024-12-18 09:12 修正:2024-12-18 10:15
韓国銀行のイ・チャンヨン総裁が17日午後、国会で行われた企画財政委員会の全体会議に出席し、議員の質問に答えている。左はチェ・サンモク経済副首相兼企画財政部長官/聯合ニュース

 韓国銀行(韓銀)のイ・チャンヨン総裁は17日、「今年の経済成長率が(当初の見通しより)やや下がる可能性があるのは事実」だと述べた。イ総裁はこの日午後の国会企画財政委員会の緊急懸案質疑で、実質国内総生産(GDP)の成長率についてキム・ヨンファン議員(共に民主党)に問われ、「今年第4四半期の成長率を(前期に比べ)0.4%ほどとみて、今年は年間で2.2%と予想したが、もう少し見守らなければならないと思う」、「2.0%になるか2.1%になるかは見守らなければならないと思う」と述べた。韓銀は先月28日に発表した修正経済見通しで、今年の経済成長率の見通しを2.4%から2.2%に、来年の見通しを2.1%から1.9%にそれぞれ下方修正している。

 ウォン相場の見通しについては、「予測は容易ではない」と述べた。イ総裁は「(ドルは)経済政策が正常に作動すれば下がるだろうが、米国の新政権の経済政策、ドル高傾向、金利政策の方向性などの複合的な要因が作用するだろう」と述べた。

 イ総裁は、非常戒厳と弾劾局面が続く過程で、国内経済の不安心理が高まっていると診断した。イ総裁は「経済指標を見ると、外国人訪問客の数や輸出は、大きな変化が短期的には見られない」としつつも、「カード使用量が減り、景気心理指標も非常に大幅に落ち込んでいる」と語った。そして「主な経済政策が政治プロセスとは関係なしに動くということが重要だ」と強調した。

 「過去の事例を見ると、弾劾審判が90日以上かかった場合は、不確実性がより高まりうる」とチャ・ギュグン議員(祖国革新党)に水を向けられると、イ総裁は「原則的にそうだ」と答えた。臨時の金融通貨委員会を通じた金利引き下げの可能性については、「まだ検討していない」と述べた。

 通貨危機を懸念する問いに対しては「通貨危機は外債を返済できないことで発生する危機だが、現在、韓国は外国に対して債権国であり、現状をみればドルが上がったに過ぎず、借入れなどの外国為替市場の作用にはまったく問題がない」とし、「通貨危機を懸念するのは行き過ぎだ」と述べた。

 また、買い戻し条件付き債券(RP)の購入などによる「無制限の流動性供給」対策はドル高の要因ではないと強調した。イ総裁は「無制限の流動性供給は市場を安定させるために安全弁を作るためのもの」だとして、「これまでにRP購入によって供給した流動性は14兆ウォン(約1兆5000億円)ほど。過去や平常時と比べて流動性が高まっているとは考え難く、ドルや物価の上昇とは関係がない」と語った。

キム・フェスン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1173582.html韓国語原文入力:2024-12-17 17:17
訳D.K

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