ジョー・バイデン米大統領が大統領選挙戦からの撤退を検討しており、民主党内部ではバイデン大統領の候補辞退を「時間の問題」とみていると、ロイター通信が18日(現地時間)報じた。バイデン大統領の味方とされてきたナンシー・ペロシ元下院議長、バラク・オバマ元大統領など民主党の重鎮らの憂慮の表明により、早ければ今週末頃、選挙戦からの撤退を決断するという見方も出ている。
ロイター通信はこの日、事案に詳しい消息筋の話として「(バイデン大統領は)この問題を非常に深刻にとらえている」とし「自己省察をしている」と述べたと報じた。先月27日の初のテレビ討論後に相次いだ党内からの候補辞退要求を一蹴したバイデン大統領は、チャック・シューマー上院院内代表、ハキーム・ジェフリーズ下院院内代表など院内指導部に続き、党内の重鎮までもが危機感を表明したことで「撤退の兆しを見せた」とロイターは伝えた。
この日、ペロシ元議長は一部の下院議員に「バイデン大統領を近いうちに選挙戦から撤退するよう説得できると確信する」と話したと、ワシントン・ポストが報じた。また、オバマ元大統領が側近たちに「バイデン大統領が大統領選で勝利する可能性が急激に低下した」とし、候補でいつづける問題を深刻に考えなければならないという立場を明らかにしたという報道も続いた。バイデン大統領が候補でいつづけた場合、トランプ前大統領にホワイトハウスを明け渡すことになるのはもちろん、大統領選と同時に行われる下院選挙と上院選挙の一部の勝利も期待できないという非公開の世論調査結果が出て、内部のムードが急激に変わったという。バイデン大統領は17日、新型コロナウイルスに再感染し、デラウェア州の官邸で隔離中だ。
CNNは、民主党所属のある州知事が「これからの72時間は大きい。これ以上は続けられない」とし、バイデン大統領の候補辞退の時期が近づいていることを側近たちに話したと報じた。またインターネットメディアのアクシオスは、バイデン大統領の側近を含む民主党の高位関係者らが、今週末にバイデン大統領が候補から退く決断を下すよう説得されるものとみていると伝えた。
有力な代替候補として取り上げられているカマラ・ハリス副大統領はこの日、ノースカロライナ州のフェイエットビルで遊説を続けた。ワシントン・ポストはハリス副大統領の演説を「民主党大統領候補指名のためのオーディションのようだった」と表現した。
党内世論もハリス副大統領に有利だ。エコノミストとYouGovが13~16日に行った世論調査で、民主党支持層の79%がバイデン大統領の撤退の際にはハリス副大統領を大統領候補として支持すると明かした。ただし、一部ではオバマ元大統領の妻のミシェル・オバマ夫人や、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム氏などが「サプライズ登板」する可能性も言われている。