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尹大統領の新秘書室長任命に野党「馬耳東風の人事」…第一歩からこじれる「意思疎通」

登録:2024-04-23 05:48 修正:2024-04-23 06:40
尹錫悦大統領が22日、ソウル龍山の大統領室庁舎で開かれた人事会見で、新大統領秘書室長に任命された「国民の力」のチョン・ジンソク議員を紹介するために壇上に上がり、発言している。左から尹大統領、チョン新秘書室長、イ・グァンソプ現大統領秘書室長/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が22日、新秘書室長に与党「国民の力」のチョン・ジンソク議員を、政務首席にホン・チョルホ元議員をそれぞれ任命したのは、政治家を重用することで大統領室の政務機能を強化し、野党との疎通を広げるためとみられる。しかし政務と意思疎通の相手である野党は、チョン室長の野党攻撃発発言などを問題視し、一斉に反発しており、総選挙後の人的刷新は第一歩からこじれる様子だ。

 尹大統領はチョン室長の任命を発表し、「内閣や党、野党、マスコミ、市民社会などすべてにおける円満な意思疎通」を強調。忠清道出身の当選5回の国会議員であり、大統領府政務首席や国会副議長などを務めたチョン室長の履歴を掲げ、キム・デギ元秘書室長、イ・グァンソプ前秘書室長など、これまでの官僚出身の秘書室長とは異なると強調したのだ。尹大統領はこの日、首都圏で国会議員を2期務めたホン・チョルホ新政務首席を紹介し「コミュニケーションと親和力が非常に優れていると推薦された」と述べた。ハン・オソプ前政務首席は「当選0回」だった。

 チョン室長は「大統領に政治に身を投じるよう勧めた者」だと自己紹介するほど、尹大統領の側近だ。それだけに、チョン室長の任命は、総選挙敗北後に緩む可能性の高い与党「国民の力」との関係を管理しながら、掌握力の維持に向けた意志を示したものとみられる。

 問題は、尹大統領が「意思疎通の強化」の対象に挙げた野党が、チョン室長の任命を一斉に批判していることにある。最初の人選から対話と協力とは異なる方向に流れたためだ。

 イ・ジェミョン代表と尹大統領の一対一の会談を控えた野党「共に民主党」のハン・ミンス報道担当は、「(チョン室長は)盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領に対する死者名誉毀損で実刑を言い渡され、最大野党代表に無数の暴言と非難を浴びせた人物」だとしたうえで、「独善の国政を変えろという国民の命令に背を向けた人事」だと論評した。イ代表のある側近は、「(尹大統領が)握手しようと手を差し出しながら、もう一方の手ではビンタをするような行為だ」と語った。

 チョン室長は「故盧武鉉元大統領の死は夫婦喧嘩から始まった」という虚偽を流布し、盧元大統領の名誉を傷つけた容疑で昨年8月の一審で懲役6カ月を言い渡され、控訴審を進めている。与党の非常対策委員長だった2023年1月にはイ・ジェミョン代表が尹大統領に一対一の会談を求めたことについて「大統領がいま犯罪被疑者と面会するわけにはいかない」と発言した。チョン室長は2022年11月には梨泰院(イテウォン)惨事の原因が「民主党と関連したデモ隊のせい」という趣旨の主張をし、激しい批判を受けた。

 祖国革新党のキム・ボヒョプ報道担当も「国政運営の失敗に少なからぬ責任があるチョン・ジンソク議員」の起用は「4・10総選挙の民意に逆らう人事」だと論評した。

 チョン室長が国民の力の非常対策委員長だった昨年、党大会を控え、指導部選出方式を尹錫悦支持派に有利になるよう一般国民世論調査を除く「党員投票100%反映」に変えた点については、与党内で批判の声があがった。同党のキム・ウン議員はこの日、フェイスブックへの投稿で、「我が党が崩れることになった最も根本的な原因は、党大会で選ばれた党代表を大統領の指示で追い出したことと、党大会のルールを党員投票100%に急造し、大統領の私党にしたこと」だとし、「チョン議員を秘書室長に任命するということは、結局これまでの2年間のように一方通行に固執するという国民に対する宣戦布告」だと書いた。

 チョン室長は記者団に対し、「ひとえに国民の目線に立ち、客観的な観点で(大統領に)申し上げるよう努める」と述べた。

イ・スンジュン、オム・ジウォン、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1137702.html韓国語原文入力:2024-04-22 23:11
訳H.J

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