与党「国民の力」のハン・ドンフン非常対策委員長が、4月10日の総選挙惨敗の責任を取り、11日付で非常対策委員長を辞任した。ハン・ドクス首相と大統領室参謀らも一斉に辞意を表明した。「与党108議席、野党192議席」の結果で厳しい民意を確認した政府・与党が直ちに収拾に乗り出したが、当分混乱は続くものとみられる。
尹大統領は「総選挙で表れた国民の意思を謙虚に受け止め、国政を刷新し、経済と暮らしの安定のために最善を尽くす」と述べたと、イ・グァンソプ大統領室秘書室長が同日午前10時40分の記者会見で伝えた。大統領室の高官によると、ハン・ドクス首相は尹大統領に口頭で辞意を表明し、国家安保室を除く大統領室首席秘書官級以上の参謀陣も全員辞意を表明した。
20分後の午前11時には、国民の力のハン・ドンフン非常対策委員長がソウル汝矣島(ヨイド)の党本部で記者会見を開き、「国民の意思を重く受け止め、まず自分から深く反省する」とし、「選挙結果に対するすべての責任を取り、非常対策委員長職から退く」と述べた。法務部長官を辞め、昨年12月26日に非常対策委員長に就任して107日目にしての降板だ。ハン委員長の任期は当初6月28日までだったが、野党に192議席を奪われた惨敗に伴う批判を免れなかったものとみられる。
ハン委員長は「国民に選ばれるには至らなかった我が党を代表し、国民にお詫び申し上げる」と語った。「総選挙の敗北に大統領室と共同責任があると思うか」という質問には「責任は完全に私にある」と答えた。同日、同党のチャン・ドンヒョク事務総長やパク・ジョンハ首席報道官ら主要党役員も辞任した。大統領室とハン委員長は「一括辞任」の順次発表を事前に調整したという。
大統領室と政府、与党の指導部が総選挙敗北直後に一斉に辞意を表明するのは異例のことだ。民意を素早く受け入れる姿勢を見せる一方、与党内外で高まると予想される「惨敗責任論」と、それに伴う内紛を事前に遮断するためとみられる。
尹大統領は、内閣と大統領室の人的刷新をめぐり悩みに陥った状況だ。国民の力はユン・ジェオク院内代表が非常対策委員長権限代行を務め、党の収拾に乗り出す。早ければ来週中に「総選挙当選者総会」を開き、党大会など党の未来をめぐり激しい議論を行うものとみられる。党内にも総選挙惨敗の第一の原因として尹大統領を挙げる意見が多く、再整備の過程で尹大統領との差別化や与党と政府の関係の立て直しなどをめぐり難航が予想される。
ある初当選議員は「党が混乱に陥るのは避けられないだろう」とし、「国民も納得し、内部支持層も納得できる人が党大会に出てこなければならないが、そのような英雄が突如現れるのは難しいだろう」と語った。国政基調の転換を求める声も高まっている。京畿道城南市盆唐甲(ソンナムシ・プンダンカプ:選挙区)で4期目の当選を果たしたアン・チョルス議員は、フェイスブックへの投稿で、「国民が『もういい』と思うまで、政府与党の国政基調の大転換と低い姿勢で革新していくことを強く求めざるを得ない」と書いた。