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北朝鮮の「駆け引き」?…北朝鮮外相「岸田首相の『拉致問題』固執、理解できない」

登録:2024-04-01 07:08 修正:2024-04-01 08:24
北朝鮮のチェ・ソンヒ外相/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮のチェ・ソンヒ外相が「われわれは、日本が言ういわゆる『拉致問題』に関して解決することもないばかりか、努力する義務もなく、またそのような意思も全くない」とし、「(岸田首相が)現実をわざわざ拒否し、顔をそむけながら実現できないこと、解決すべきことのない問題に執着し、あくまで固執する理由について理解できない」と述べた。

 チェ・ソンヒ外相は29日午後、朝鮮中央通信で発表した「外相談話」を通じて、「日本の岸田首相が『拉致問題』にまたもや言及し、朝日間の諸懸案解決のために従来の方針の下、引き続き努力を続けるという立場を明らかにした」としたうえで、このように述べた。チェ外相は「朝日対話はわれわれの関心事ではなく、われわれは日本のいかなる接触の試みに対しても許さないであろう」と述べた。

 チェ外相の談話は、朝鮮労働党中央委員会のキム・ヨジョン副部長の「日本側とのいかなる接触にも、交渉にも顔を背け、それを拒否するであろう」という26日の談話の発表直後、日本の岸田文雄首相が「コメントについて、一つひとつ申し上げることはしない」としたうえで、「日朝間の諸懸案解決に向けて努力していきたい」と明らかにしたことに対する反応だ。「キム・ヨジョン談話」の内容を再確認したのだ。

 問題は、北朝鮮側が「日本のいかなる接触の試みに対しても許さない」としながらも、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「対外政策報道官」と呼ばれるキム・ヨジョン副部長と北朝鮮の対外政策を総括する外相がなぜ3日をおいて直接出てきて「対日本談話」を発表したのかだ。元韓国政府高官は「目にみえる水面上の主張だけでなく、みえない水底の動きも念頭に置く必要がある」としたうえで、「北朝鮮と日本の接触過程での機先を制するための駆け引きとみられる」と述べた。

 これに先立ち、キム・ヨジョン副部長は、25日に発表した談話で、日本の岸田首相が「異なるルートを通じて可能な限り早いうちに」金正恩委員長に直接会いたいという意向を伝えてきたことを明らかにした。「異なるルート」とは、過去の北朝鮮と日本の水面下での交渉とは違った窓口で、「可能な限り早いうちに」とは、「先に首脳会談、後で懸案の妥結」の順序で問題を解決しようとしたうえで、「早期首脳会談」を提案してきたという意味だと読み取れる。

 つまり北朝鮮側は、首脳会談の結果が不透明な状況では、日本側の提案をすぐには受け入れるつもりはないので、「交渉条件」を先に提示せよという外交的な駆け引きを行っているようだ。別の元韓国政府高官は「北朝鮮の高位の外交ラインの相次ぐ談話発表は、逆説的に、北朝鮮側が朝日首脳会談に関心があるという反証といえる」と述べた。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1134473.html韓国語原文入力:2024-03-29 23:19
訳M.S

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