韓国政府が専攻医(インターン・レジデント)らに29日を「最終ライン」と定め、業務開始命令に従わない場合、医師免許停止処分など法的制裁を予告した。政府と医師団体間の対立が長引く兆しが見える中、事実上「最後通告」を突き付けたわけだ。一方、医師団体は「増員取り消しが先」だとして反発した。
保健福祉部のパク・ミンス第2次官は26日、中央災害安全対策本部のブリーフィングで、「29日までに復帰することを望む」とし、「3月からは未復帰者に対して法と原則に従って少なくとも3カ月の免許停止処分と捜査、起訴など司法手続きを進める方針だ」と語った。現行の医療法は、政府が業務開始命令に従わない医療関係者に最大1年の免許停止処分を下すことができるようにしている。政府の警告にも関わらず、研修病院100カ所で辞職届を出した専攻医は1万34人(23日夜7時基準)で、業務開始命令は計7038人(21日基準)だった。
福祉部は「医学部定員の拡大」の立場は固守しながらも対話を求めた。パク次官は「増員規模を除いた政策内容はいくらでも対話を通じて保管することができる」とし、「医療界全体の意見を集約できる代表性のある構成員を提案してほしい」と述べた。大韓医師協会(医協)が医学部の増員などの当事者ではない上、一部の医学部教授などが前向きな態度を示しており、交渉テーブルの拡大を目指しているものとみられる。
医学部教授たちは「強制」より「説得」を強調した。ソウル大学医学部教授協議会の非常対策委員会は声明を出し、「(専攻医たちを)復帰させるための対策は、脅迫や強制ではなく、説得」だとしたうえで、「問題解決のために(医学部教授たちと)定期的に会って対話しよう」と呼びかけた。一方、医協側は「『医師数不足』の主張は誤診」だとし、「(医協を)医師一部の団体、開業医の代表団体であるかのようにみなす姿勢を見せる限り、対話ができない」という立場を示した。
このような状況で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はソウル龍山(ヨンサン)の大統領室で首席秘書官会議を開き、「国民が病気やけがをした際に、適時に、きちんとした治療を受けられるようにすることが福祉の核心であり、国家の憲法上の責務」だと述べた。