本文に移動

ラファ、地上戦秒読み…国連「ガザ地区の死傷者約9万7千人」

登録:2024-02-19 00:47 修正:2024-02-19 06:36
14日(現地時間)、イスラエル軍によるパレスチナのラファ内での軍事作戦開始発表後、ガザの住民たちが同地域を離れるために荷物を積んでいる/EPA・聯合ニュース

 パレスチナの武装党派ハマスが提示した150日間の休戦、イスラエル軍の撤退、人質交換などを骨子とした第2次休戦案に対して、イスラエルは「妄想に過ぎない提案」だと述べつつ、受け入れられないとの立場を示した。交渉がこう着状態に陥った中、イスラエルはガザ地区の民間人の最後の避難先である「最南端」ラファに対する大規模な地上戦の秒読みに入った。

 イスラエルのネタニヤフ首相は17日(現地時間)の記者会見で、最近の休戦交渉について、「ハマスが妄想に満ちた要求をしてきた」とし、「それの受け入れは降伏しろということであり、絶対に同意しない」と述べた。そして「すべての人質を自由にするまで戦い続ける」とし、ハマスに対する強力な軍事的圧迫が人質交渉も有利にするとの主張を繰り返した。さらに、人質交渉の行方とは関係なしに、ラファに対する電撃的な攻勢に打って出るとの立場も固守した。イスラエル軍は、北から追われてきたハマス指導部と多くのイスラエルの人質が、エジプト国境を背にしてラファに身を隠しているとみている。

 ラファには現在、ガザ地区北部から追われてきた難民など130万人あまりがいると推定される。ガザ地区の総人口(230万人)の半数が密集している同地域でイスラエル軍が電撃戦を繰り広げれば、民間人に多くの被害が出るのは火を見るよりも明らかだ。国連人道問題調整事務所(OCHA)は、16日までにガザ地区で9万7千人あまりの死傷者(死者2万8775人)、170万人の難民が発生していると報告している。国連は「避難民はラファから再び北部に移動しているが、ガザ地区のどこにも安全な場所はない」と警告している。

 昨年12月1日に1週間の最初の休戦が終わって以降、80日近くにわたって2回目の休戦に向けた交渉が進められているが、両者は合意点を見出せずにいる。17日にCNNが入手した「ハマス休戦交渉提案書」を確認すると、4カ月半かけて3段階に分けてイスラエル軍を完全撤退させる案が提案されている。その間にハマスは人質全員を解放し、それに見合ったイスラエル内のパレスチナ人の主な収監者を交換するとするものだ。だがイスラエル戦時内閣内の「タカ派」を背景にするネタニヤフ首相は、「撤退は絶対できない」との立場だ。

 交渉のテーブルもこのような雰囲気に包まれている。イスラエルのガル・ハーシュ捕虜・失踪担当調整官はCNNとのインタビューで「人質を家に連れ戻すことより重要なことはなく、そこには大きな代価が必要だということは分かっている」としつつも、「(人質交渉をおこなっても)戦争は終わらないだろうし、ハマスは解体されるだろう」との立場を明らかにした。

 ハマスも退路を断っているのは同じだ。彼らは昨年10月7日のイスラエルに対する攻撃に加わったパレスチナ人収監者の釈放まで要求している。また「交渉が成立するには、休戦と同時にイスラエル軍のガザ地区からの撤退が保障されなければならない」との主張を曲げていない。イスラエルは「現実に近い提案を持ってくるべきだ」とし、絶対に受け入れられないとの立場を固守している。

 両者を仲裁してきたカタールのムハンマド首相はこの日、ミュンヘン安全保障会議に出席し「交渉はまもなく妥結すると信じている」との立場を明らかにしつつも、「ここ数日間の状況は本当に明るくなかった」と語った。

ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1128755.html韓国語原文入力:2024-02-18 11:25
訳D.K

関連記事