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"白血病 発病, 三星説明は嘘"

登録:2010-04-16 09:20

原文入力:2010-04-15午後10:48:53(1575字)
器興工場 退職職員 証言
有機溶剤・ガス漏出事故 頻発…知りながらも放置
納期に追われ事故が起きても作業…猛毒性薬品 随時使用

チョン・チョンフィ記者

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労働者らの相次ぐ白血病発病で論難が起きている三星電子半導体工場で、永らくガスと有機溶剤事故が頻発し、会社側がこれを知っても放置していたという退職エンジニアの証言が出てきた。

京畿道,龍仁市の三星電子器興工場で設備維持補修業務を遂行するエンジニアとして10年以上勤め、数年前に辞めたキム・サンピル(仮名)氏は15日<ハンギョレ>とのインタビューで「在職時に起きた有機溶剤とガス漏出事故が一度や二度ではなかった」とし「多い時は1ヶ月に2~3回の事故がおきることもあった」と話した。彼は「あまりにも納期に追われて漏出事故の際に感知装置が鳴ればそのまま消して作業を進行するなど、安全基準を守らずに作業を進行することが多かった」とし「会社の中間管理者らはそのような事実を皆知りながらも黙認していた」と明らかにした。

キム氏のこういう証言はガス漏出などの事故が起きたことはなく、白血病発病と作業環境とは何の関連もないという三星電子側の主張とは真っ向から反するものだ。三星電子は温陽工場で仕事をして急性骨髄性白血病に罹ったパク・チヨン氏が先月31日に亡くなると、会社公式ツイーターを通じ「すべての設備は標準化された作業手続きを役職員に教育し、注意事項を強調することが基本であり、これをかなり以前から施行してきた」と主張した経緯がある。

キム氏は猛毒性化学薬品に職員が直接接触することはないという三星電子側の主張に対しても 「会社が嘘をついている」 と主張した。彼はイソプロピルアルコールのような毒性物質を、エンジニアが‘ステーション’と呼ぶ作業台の洗浄用に常時使っていたと明らかにした。また、三星電子器興工場が1998年頃、国際標準化機構(ISO)認証を受けた時のように外部の人が訪問する場合には関連毒性物質を全て隠しておいたりもしたと伝えた。

特にキム氏は一つのライン内で特定作業室でガスや有機溶剤漏出事故がおきれば内部空気調節システム上、すぐに同じラインの他の作業室に広がったと打ち明けた。これは白血病被害者が今まで知らされていたよりはるかに増える可能性があることを意味する。

器興工場3ラインで仕事をし急性骨髄性白血病に罹り、2006~2007年に相次いで亡くなったイ・スギョン,ファン・ユミ氏の発病背景を推定できる証言も出てきた。キム氏は「イ氏やファン氏が仕事をした3ライン3ベイ(作業室)の場合、内部では‘ポチャンポチャン’ラインと呼んでいた」と話した。機械ではなく、人が手で直接きつい化学薬品に半導体ウェハーを入れたり出したりするという意味で、そのようなニックネームがついたということだ。

キム氏は三星電子が15日に記者らに器興工場を公開したことについて、「この日に公開された5ラインとSラインは最新設備をそろえたところであり、白血病に罹った労働者たちが仕事をした1~4ラインとは全く違うライン」と指摘した。

これに対し三星電子側は「ガスや有機溶剤は全て中央から供給された後、処理が終われば自動で抜けガス漏出などの問題が生ずれば自動的に安全装置が稼動する」として「事故が一度や二度ではなかったというキム氏の主張は事実と違う」と説明した。

チョン・チョンフィ記者 symbio@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/416267.html 訳J.S