韓国の与党「国民の力」の革新委員会が26日、12人の革新委員の人選を完了した。しかし迎え入れを目指した「非尹錫悦(ユン・ソクヨル)派(非尹派)」の人物を引き入れなかったうえに、革新対象に近いキム・ギヒョン代表特別補佐役まで委員に合流し、党内でも「期待できない」という反応が出ている。
国民の力は同日、「親尹派」に分類されるパク・ソンジュン議員(65、ソウル瑞草乙)とキム・ギョンジン元議員(57)など12人の革新委員を発表した。革新委には、オ・シンファン元議員(52)とチョン・ヘヨン前大邱広域市経済副市長(52)、イム・ジャンミ・マイペットプラス代表(46)、パク・ウジン慶北大学農業生命科学大学学生会長(23)などが含まれた。女性が7人、1980年代以降生まれの委員は6人だった。
イン・ヨハン革新委員長は同日、国会疎通館で行った記者会見で、「女性、青年、外部の人物に配慮した」としたうえで、「苦い薬を、必ず飲まなければならない薬を調剤し、皆さんがすっきりしたと感じられるよう、正しい道を模索していく」と述べた。革新委は12月24日まで60日間活動する。
しかし革新委員たちの面々が「革新」とはかけ離れているという批判の声があがった。特に、親尹派として知られ、ソウル瑞草(ソチョ)地域で2期目を務める強硬保守のパク・ソンジュン議員については、非公開最高委員会でさえ(ほかの人に)変えるべきというという抗議が出たが、キム・ギヒョン代表が「ほかに方法がない」として追認したという。現役議員として唯一革新委員に選ばれたパク議員は、国会科学技術情報放送通信委員会の与党幹事であり、「韓国放送(KBS)はフェイクニュースの宿主」「文化放送(MBC)はフェイクニュースで世論を扇動する」などの発言で、「言論弾圧の先鋒」だと批判されてきた。イ・ジュンソク元代表は同日、「オーマイニュース」のユーチューブチャンネルに出演し「パク議員は革新されるべき対象」だと批判した。
検事出身のキム・ギョンジン元議員も、国民の党→無所属→民主党復党宣言→国民の力入党などの履歴で物議を醸した人物だ。大統領選挙当時は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補陣営の対外協力特別補佐官を務めた。それに加え、キム・ギヒョン代表の特別補佐役であるチョン・ヘヨン前大邱市経済副市長も委員に選ばれた。
親尹派の人物が多数含まれた一方、非尹派は選ばれなかった。大統領室を批判してきたチョン・ハラム党協委員長(全羅南道順天甲)とユン・ヒスク前議員らは、革新委の曖昧な権限などを理由に挙げ、イン委員長の委員職の提案を断った。ユン前議員はハンギョレに「革新委が(キム・ギヒョン)指導部の下部機関のようにならざるを得ない。緊張関係の中で刷新案を作って実現させるのは容易ではない構造だ」と説明した。
イン委員長は「苦言を呈する非尹派がいない」という指摘に対し、「私が苦言をたくさん呈するつもり」だとしたうえで、「革新委員の構成が国民の目線に合っているか」という質問にも「それは私に任せてほしい。私は全羅道のオンドル部屋で育った人だから」と答えた。
党内部は革新委にあまり期待しない雰囲気だ。
ある初当選議員はため息をつき、「これが答えだ」と語った。ホン・ジュンピョ大邱市長はフェイスブックへの投稿で「形だけの革新委では恥をかく委員会になりかねない」と書いた。党関係者は「これでは批判されても仕方がない」と嘆いた。首都圏のある議員は「いわゆる『非尹派』を迎え入れようとしたが、それがかなわず、このような構成になったようだが、来週には(キム・ギヒョン代表が主導する)総選挙企画団、人材迎え入れ委員会も発足する状況で、革新委に何ができるのか分からない」と話した。
イン委員長の行動についても失望混じりの反応が出た。
イン委員長は同日の記者会見で、「李明博(イ・ミョンバク)元大統領にも会い、大邱(テグ)に行って朴槿恵(パク・クネ)元大統領にも会う」と述べた。同日午前には、国立ソウル顕忠院で開かれた朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の追悼式典にも出席した。革新委員長になった後、第一声として「統合」を強調したが、親尹と非尹派の統合ではなく、旧勢力との統合に逆戻りするような姿を見せている。