原文入力:2010-04-08午前09:22:32(1387字)
1960年代 公団造成時 公権力で土地強奪
高裁 "訴え取下げは無効…国家が土地を返しなさい"
ソン・ギョンファ記者
国家が1960年代に九老輸出産業工業団地(九老工団)を作り、地主を強圧して土地返還訴訟を放棄させたことは違法な行為であり、「国家は土地を持ち主に返さなければならない」という判決が下された。朴正熙政権時期の公権力乱用の代表的事例に挙げられる‘九老分配農地訴訟詐欺操作疑惑事件’で国家の責任を認めた初めての判決だ。
ソウル高裁民事7部(裁判長 イ・ハンジュ)は当時地主だったキム・某(1999年死亡)氏の遺族チョ・某(75)氏など36人が国家を相手に出した1969年不動産所有権移転請求訴訟に対する期日指定申請で「国家はキム氏に土地に対する所有権移転登記手続きを履行せよ」として7日原告一部勝訴判決をした。期日指定申請とは訴えの取下げで終えられた民事訴訟で「訴訟取下げが不当だった」 として裁判を再開して欲しいという請求だが、裁判所はこれと共に土地を返さなければならないという判断も同時に下した。
裁判所は「訴訟取下げ当時、国家の強要があり、一部は当事者が死亡したのに本人名義の捺印が捺されている点などが認められ、訴訟取下げは無効」と明らかにした。また裁判所は「現在該当土地が依然として国家所有であるキム氏遺族6人はすぐにも土地を返してもらうことができるが、土地が第三者所有になった残りの原告らに対しては履行不能につき棄却」と付け加えた。棄却された原告らは 「訴訟取下げが不当だった」という今回の判決を根拠に、国家に対する損害賠償を請求する道が開かれた。
裁判所は通常、訴訟取下げを無効にするために必要な‘取り下げ強要者に対する有罪判決’等がなくとも 「正義観念に照らして黙過できないほどに国家公権力が組織的・体系的に乱用された」として訴訟取下げ無効を受け入れた。
ソウル,九老区,九老洞一帯で農作業をして暮らしていたキム氏たちは、1961年から国家が耕作地に公営住宅を作り九老工団を作るや 「農地改革法により1950年に国家から合法的に分配されたた土地」として、国家を相手に民事訴訟を出し1968年以後に大部分が勝訴した。
するとソウル地方検察庁は書類の偽造事実を認知したとし、1970年7月に住民たちを集団連行した後に勝訴確定判決を受け取った住民と訴訟中の住民143人に各々権利放棄と訴訟取下げ同意を集めた。また最後までこれを拒否した住民たちは訴訟詐欺罪で、農地分配事実を証言した公務員たちは偽証罪で各々起訴した。起訴された住民たちの内、12人は裁判途中に亡くなり公訴棄却され、26人は有罪判決を受けた。
当時、有罪判決を受けた住民たちはソウル中央地裁に再審を請求し、真実・和解のための過去史整理委員会は2008年7月「国家が政策を強行するために住民たちを不法連行し苛酷な行為を行い公権力を乱用した」とし国家の公式謝罪と再審などを勧告した。
ソン・ギョンファ記者 freehwa@hani.co.kr
原文: 訳J.S