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明洞聖堂 13階建 推進‘再開発’論難

登録:2010-04-05 09:44

原文入力:2010-04-05午前09:01:45(1804字)
主教館後方に500億ウォン台 大規模計画 推進
"国家史跡 景観侵害" 文化財委, 審議保留

ノ・ヒョンソク記者

←韓国天主教の本山である明洞聖堂と周辺建物一帯を見下ろず現在の鳥瞰図。左側点線部分に地下駐車場と近隣生活施設が入り、右側点線部分には新築建物が建つという計画だ。

今年、建設112周年をむかえた韓国の代表的な近代建築物であり‘6月抗争の聖地’と呼ばれるソウル,明洞聖堂(史跡 258号)が再開発論難に包まれた。最近天主教ソウル大教区側が明洞聖堂の北西側周辺に地上9階と13階建て大型コンクリート ビルディング2棟と地下4階の賃貸施設・駐車場を建設する500億ウォン台の大規模再開発計画を推進中と知られた。

←ソウル大教区文書に出てきた再開発案構想図。聖堂後方の明洞商店街境界地域に城壁のように立つ13階大型ガラス貼りビルディングが右側に見え、中央には既存聖堂進入路,地上駐車場用地などに入る階段公園も見える。

4日、文化財庁などによれば(財)ソウル大教区維持財団は去る1日 文化財庁諮問機関の文化財委員会にこういう内容の明洞開発1段階現状変更案を提出し審議保留されたことが確認された。委員らは審議で「歴史的景観の問題であるだけにもう少し時間をかけて現場検討が必要だ」という意見を出したことが確認された。文化財委のある実務者は「国家史跡景観を侵害するという憂慮とともに、一部委員は話にもならないという激昂した反応を示した」と伝えた。先立って去る1月29日、ソウル大教区側は明洞聖堂圏域の現状変更申請を初めて文化財庁に出し、2月には文化遺跡地表調査も行ったと発表された。

<ハンギョレ>が単独入手した1段階計画案文書を見れば、設計は(株)カンサム パートナーズが引き受け、全体事業対象面積は延建坪1万4775坪で聖堂西側と北側進入路周辺土地の大部分が含まれる。

500億ウォン余りを投じて聖堂西側使徒会館(旧 主教館)と社会福祉館後方テニス場と駐車場などに透明ガラス貼り(カーテンウォール)様式の高層建物(教区庁新館・約3500坪)2棟を結びつけ、城壁のように建て北側進入路の両側地下を掘り大型駐車場と近隣生活施設を入れ、地上には階段広場などを作ることが計画の骨子だ。また本堂と共に明洞聖堂を代表する近代建築物である旧主教館(2階),社会福祉館(4階)も外壁だけを残し内部を撤去し新築ビル付属施設である進入ホールと展示空間などとして活用するという内容も含まれている。ソウル大教区側は計画案で「聖殿の威容を回復し業務空間を追加確保するための用途」と説明した。

専門家たちはこの案どおり実行される場合、聖堂の景観がまるごと遮断されたり大きく毀損されるだけでなく、87年6月抗争の現場である既存進入路の景観も事実上消えることになると憂慮している。アン・チャンモ京畿大建築大学院教授は「明洞聖堂は近代建築史跡としての価値だけでなく、歴史的なランドマークとして認識される汎国民的文化遺産」としつつ、「教団自ら聖域としての価値を壊してしまう再開発案を全面再検討しなければならない」と話した。

最も大きな論難点は史跡付近の景観を確保するための‘仰角’(上に見上げる眺望角度)規定だ。現行文化財保護法上、史跡では100m以遠にのみ建物を作ることができ、この場合は史跡に指定された敷地の境界線上の高さ3m地点から仰角27度を適用し、その角度内の高さまで作ることができる。ソウル大教区側は「新築建物は史跡である聖堂を基準として27度仰角により層高を合わせて作るようにしてあるので法的欠陥がない」という態度だ。

しかし建築士の研究会 トコモモコリアのキム・ランギ顧問は「史跡は建物を含む土地面積に対して指定するが、仰角基準点を土地ではなく聖堂建築物の隅で捉えたということは理解できない」と話した。また本堂から100mにもならない所で地下4階以上を掘りパイルを打ち込む計画も、地盤沈下などの憂慮も生んでいる。

ノ・ヒョンソク記者 nuge@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/414326.html 訳J.S