先月「ワニを目撃した」との通報があった慶尚北道栄州市(ヨンジュシ)で、サバンナオオトカゲが捕獲された。栄州市は、ワニとの関連性について判断するのはまだ難しいとの立場だ。
栄州市は、27日午後3時30分ごろに伊山面休川洞(イサンミョン・ヒュチョンドン)に位置する工場で体長60~70センチのサバンナオオトカゲを捕獲したと28日に発表した。捕獲したトカゲは慶尚北道野生動物救助管理センターに引き渡される予定だ。
アフリカのサハラ砂漠の南で主に見られる外来種のサバンナオオトカゲは、成長すれば尻尾を含めて1.3メートルほどにまで育つことが知られている。なぜ栄州で発見されたのかについては、まだ明らかになっていない。
ただ、展示されたりペットとして買われたりしていた可能性は推定できる。「韓国外来生物情報システム」を見ると、導入特性という項目には「展示動物またはペットとして導入」と出ている。米国ではペットとして飼われるケースもあるという。
サバンナオオトカゲは、2015年に国会で公開された資料に掲載されている、環境部に自主申告された違法密輸動物のリストにもその名がみられる。漢江流域環境庁の資料によると、サバンナオオトカゲはワシントン条約(CITES)付属書で2類に分類されており、商業、学術、研究を目的とする国際取引は可能。環境庁は「国際的な絶滅危惧種を許可なく輸入すれば、『野生生物保護および管理に関する法律』だけでなく『関税法』に則って処罰されうる」と述べる。
栄州市では先月13日、ムソム村(マウル)のムソム橋から体長1メートルのワニとみられる動物を見たという通報があり、捜索活動が行われる騒動が起きているため、ワニとの関連性に関心が集まっている。今回捕らえられたトカゲがワニと誤認されたのではないかということだ。
13日に通報を受けた当局は捜索を行ったが、ワニが生息しているような痕跡は見つかっていない。環境部は同月23日に「10日間にわたり詳しく捜索した結果、ワニおよびワニ生息の痕跡は発見されなかった」、「確認されたのはカワウソの生息の痕跡とキバノロ、タヌキのみ」だと発表している。その後、栄州市は安全のために安全管理要員を随時投入してパトロールを行っている。
今回捕獲されたトカゲが「ワニ目撃」通報と関係があるのかについて、栄州市はまだ判断を下すには早いとの立場だ。栄州市の関係者はハンギョレに対し「トカゲがワニと推定された動物であるかどうかを判定するだけの根拠がないため、(関連性を)断定することはできない」と語った。トカゲが捕獲された場所はムソム橋と10キロ以上離れている。
栄州消防署の関係者は「外来種の動物や爬虫類などが現れたら近づいたりせず、物を投げつけたり蹴ったりするなどの刺激的な行動は攻撃を誘発する恐れがあるので、発見後すぐに119番に通報してほしい」と呼びかけた。
先月26日にも、栄州市上望洞でヒョウのものらしき足跡が発見されたとの通報があった。しかし環境部の調査の結果、イヌの足跡であることが確認された。