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[パク・ノジャ コラム]化石化された軍国,イスラエルと韓国

登録:2009-01-22 17:52

原文入力: 2009-01-21午後07:05:37
パク・ノジャ ノルウェー,オスロ国立大教授・韓国学

いつも左右に分かれているノルウェー世論は、イスラエルのガザ虐殺で珍しくほとんど統一された。アラブ人を差別しようとする極右を除けば、ノルウェーがイスラエルの蛮行を糾弾することで‘一つ’になったのだ。右派日刊紙さえも、その、見栄えの良い両非難論を抜け出しアラブ人の武装抵抗の正当性を認める雰囲気だ。

そのようになったのは一次的にイスラエルの蛮行に対する衝撃だが、さらに根本的には特に新世代がイスラエルという国の根本枠組み自体を異質視したことが大きく作用したと見られる。徴集年齢男性の10~20%が主に国家暴力に対する嫌悪という世界観的理由で代替服務を選択するノルウェーから見れば、宗教ではない政治的意見,すなわち西岸地区とガザに対する作戦に参加したくないという理由で兵役を拒否する人々を容赦なく監獄に送るイスラエルは、ヨーロッパ軍事主義絶頂期の1910~40年代の国家のように見える。イスラエルの弁明は「我々の存在に対する威嚇のため」だが外から見ればイスラエルがむしろその‘威嚇’を熱心に拡大していると見える。イスラエルに有利だった1993年イスラエルとパレスチナ間のオスロ協定以後もそれに飽き足りず不法定着村を増やしパレスチナ避難民らの帰還ないし補償問題に沈黙し、パレスチナの人々に各種挑発をしてきたのはまさにイスラエルではなかったのか?

イスラエル支配層が平和でなく緊張の持続を望む理由は様々だ。緊張の中で中東地域の米国尖兵として君臨し年間50億~60億ドルに達する米国援助を受けることもあるが、何より最近深刻なことは格差に不満が高まっていくイスラエル国民集団を統制しやすいことだ。 軍でほとんどすべての男性は3年,女性は2年ずつを過ごし、43~45才になるまでは1年に約1ヶ月間の予備軍訓練を受けなければならない点はイスラエル人口の多数が日常的に軍事規律の適用を受けているということを意味する。一切の国民を軍事資源として把握し国家運営を総動員体制で行う第1,2次世界大戦時期の兵営国家はイスラエルでそのまま化石化されてしまったのだ。排他的民族主義イデオロギーで武装したこの軍国こそ世界の人に対する大きな威嚇と見えるばかりだ。

もちろんイスラエルとは異なり大韓民国が他人の土地を占領することはないが、韓半島での平和定着のための努力を放棄したかの如く持続する軍事的対決の中で世界観的,政治的‘異端者’らに対する魔女狩りの雰囲気を操作する今度の政権の行為は確実にイスラエル支配層を思い出させる。金大中・盧武鉉政権の時、莫大な努力と費用をかけて推進してきた太陽政策の大部分を事実上ほとんど放棄して北-米関係の発展を目前にしながらも南北関係を悪化一路に導く理由は何か? 極右らが‘自由民主主義的信念’を振りまいているものの‘ミネルバ’に対する‘口ふさぎ作戦’だけ見ても現在国内の自由民主主義指数は直ちに分かってしまう。イスラエルと同様に大衆的不満の水準を認識して、御用的 ‘国民統合’を図ろうと対外的・軍事的対決の雰囲気を意図的に作りだしているという疑惑を払いにくい。事実その上に宗教的兵役拒否だけでも認めるイスラエルと比較しても、宗教的拒否者さえも監獄に送る大韓民国は化石化された兵営社会の典型と見えるばかりだ。北韓の人権改善を真に願うならば韓国社会から先に軍事主義の旧殻を抜け出し‘違い’を十分に認める成熟した社会の手本にならなければならないのではないだろうか? 現政府の政策はこれと正反対方向に行っている。

パク・ノジャ ノルウェー,オスロ国立大教授・韓国学

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/334613.html

原文: 訳J.S