北朝鮮のチェ・ソンヒ外務相は11日、米国がウクライナにクラスター爆弾を供与する方針を明らかにしたことに対し、「危険千万な犯罪行為として厳しく糾弾し、直ちに撤回することを強く求める」と述べた。
チェ外務相は同日夜、「朝鮮中央通信」を通じて「委任によりわが共和国政府の名で」談話を発表するとし、このように述べた。事実上、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の指針に従って、朝鮮民主主義人民共和国を代表して示す公式見解という意味だ。
チェ外務相は7日、「米大統領がウクライナに房爆弾(クラスター爆弾)を供与するという憂慮すべき決定を発表し、国際的に大きな物議をかもしている」と指摘した。また「房爆弾は非常に危険な大量殺戮兵器で、国際的に使用が禁止されている」とし、「米国の選択に国連事務総長まで直ちに反対を表明し、国際社会の非難が高まっているのは当然のことだ」と語った。
チェ外務相は「我が共和国政府と全人民はロシアが最終的な勝利を成し遂げると確信しており、ロシア人民の正義の偉業にもう一度固い支持と連帯性を送る」と明らかにした。
北朝鮮は昨年2月のロシアのウクライナ侵攻以来、ロシアとウクライナの戦争に関してはロシアを擁護し、米国を非難してきた。例えば1月25日、ジョー・バイデン大統領が攻撃用兵器のM1エイブラムス戦車31台をウクライナに供与すると発表したことに対し、2日後の1月27日、キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委副部長がこれを批判する談話を発表し、「われわれはロシア軍隊や人民と常に同じ戦壕(同じ戦闘塹壕)に立っている」と述べた。
チェ外務相が「房爆弾」と呼んだクラスター爆弾は、第2次世界大戦の時に初めて使われた。一つの爆弾の中に多くの小型爆弾が入っている兵器で、空中で爆発すると小型爆弾が拡散され、広い面積に打撃を与える。軍事的目標物周辺の民間人も殺傷し不発弾も多く、使用から数年後も民間に被害を与える恐れがある。このような理由で国際的禁止運動の対象になり、その結果2010年120カ国以上が参加した「クラスター爆弾禁止条約」が発効した。
同条約に加盟していないロシアとウクライナは、互いにクラスター弾を使用してきた。米国もこの条約に加盟していないが、一時ロシアがウクライナ戦争で民間人地域にクラスター爆弾を使ったとして非難したこともある。