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「中国、双循環戦略は期待薄か…サプライチェーン分離で成長に打撃」

登録:2023-06-19 03:32 修正:2023-06-19 06:26
昨年10月16日、北京の人民大会堂で開催された中国共産党第20回全国代表大会の開会式で、習近平国家主席が報告を行っている/聯合ニュース

 中国経済の急成長をけん引してきた生産性は構造的、長期的に低下しつつあるとの分析が発表された。

 全国経済人連合会傘下の韓国経済研究院(韓経研)は、16日に発表した「中国の政治・経済リスクと韓国経済に対する示唆点」と題する報告書で「中国経済の生産性が急激に低下しつつある」と主張した。

 韓経研の分析によると、2015年から新型コロナウイルス禍前の2019年までに、中国の総要素生産性は1.15ポイント低下した。同期間の経済協力開発機構(OECD)平均の総要素生産性は0.67ポイントの上昇。総要素生産性とは、労働・資本・技術などの生産に投入されるすべての要素が創出する付加価値であり、社会の経済的効率性と長期の成長率を占う指標となっている。

 韓経研は「その国の所得水準が高くなるほど総要素生産性の上昇率は次第に低下する傾向があるが、中国の総要素生産性の上昇率は平均のすう勢線の下の領域に属し、似たような所得水準の国と比較しても非常に低い」と分析した。中国の成長をけん引してきた総要素生産性の絶対水準はまだ先進国グループより高いものの、金融危機の時期だった2011年より後の上昇がみられなくなり、その後は急激に低下しているというのだ。

 報告書の診断によると、中国が新たな経済戦略として掲げた「双循環戦略」(内需と輸出の同伴成長)は生産性の向上にとって効果的ではない。韓経研の分析によれば、1980年以降、中国の国内総生産(GDP)に対する輸入額の比重が1ポイント低下すれば、総要素生産性は約0.3ポイント低下した。報告書では「中国の総要素生産性の上昇率の決定には輸入の比重が主な役割を果たすと分析された」とし、「輸入は貿易収支の面ではマイナス要因だが、技術優位国からの輸入は知識波及効果などを通じて総要素生産性を上昇させる」と明らかにされた。中国経済の自立化戦略は技術輸入の障害となり、かえって生産性を低下させる要因として作用するだろうとの診断だ。

 イ・テギュ先任研究委員は「中国は内需経済を基盤としてロシアや中東などの友好国とサプライチェーンを構築しようとしているが、米国や欧州中心のサプライチェーンとは質的に差が非常に大きいため、生産性向上効果は限定的だと考えられる」とし「韓国としては長期的・構造的リスクに直面する中国への依存度を低下させることが合理的な選択」だと語った。

キム・フェスン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/global/1096302.html韓国語原文入力:2023-06-16 16:37
訳D.K

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