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ノーベル経済学賞受賞者「介護移民を認めれば韓国の少子化解決に役立つ」

登録:2023-05-03 04:18 修正:2023-05-03 07:01
2019年のノーベル経済学賞受賞者の米シカゴ大学のマイケル・クレーマー教授が2日午後、仁川市延寿区の松島コンベンションセンターで開催された第56回アジア開発銀行(ADB)年次総会に参加し、記者懇談会を行っている/聯合ニュース

 ノーベル経済学賞の受賞者である米シカゴ大学のマイケル・クレーマー教授(経済学)は、韓国の人口問題を解決する方法として「移民政策」を提示した。ケア労働を中心として限定的に移民を認めれば、副作用は少なく経済にとっては肯定的な効果が大きいとの見通しを示したのだ。

 クレーマー教授は2日、仁川松島(インチョン・ソンド)で開催されたアジア開発銀行(ADB)の年次総会で記者団に対し「少子化と女性の低い労働市場参加率は韓国経済の大きな挑戦課題」だとし、「包括的な様々な政策が必要だが、多くの国がすでに採っている政策のひとつが移民」だと語った。

 同氏は「(移民政策は)政治的に敏感な問題となりうる。完全な移民政策を展開するのが難しければ、部分的にでも用いれば犯罪の増加や文化の変化などに対する懸念を減らしつつ、(少子化などの)問題の解決に役立つだろう」、「香港やシンガポールなどいくつかの国が特定業種で移民を受け入れているように、部分的な移民政策によって少子化問題を解決するとともに、高学歴女性の経済活動への参加を誘導できると思う」と付け加えた。

 ケア労働と家事労働を中心に移民を受け入れれば労働人口の増加に役立ち、育児などの負担から解放された女性たちも労働市場に進出できるというわけだ。クレーマー教授は「一部からはコストが発生するとの指摘がなされているが、ケアのためにキャリアが断絶した女性たちが働くことになれば、この過程で税金創出効果が発生するなど、財政収入が拡大する結果が生じうる」と説明した。

 クレーマー教授は、1986年のスペースシャトル「チャレンジャー」の打ち上げ失敗からインスピレーションを受けた「Oリング理論」で有名な経済学者だ。チャレンジャー打ち上げ失敗は2つの部品をつなぐ小さな「O(オー)」の形をしたリングが原因だったということに着眼し、非常に小さな部門の誤りや失敗も大きな災害へとつながりうる、というのが理論の肝だ。クレーマー教授はこの日の記者懇談会で「韓国の最も弱いリング」を問われた際にも、「韓国経済は特定の時期に急速な成長を成し遂げたが、今は以前とは状況が少し異なると思う」として少子化、女性の経済活動参加率などに言及した。

 ただしクレーマー教授が提案した移民政策は、人権問題などに対する考慮が必要だとみられる。専門家たちは、外国人家事・育児ヘルパーを導入した際の人権侵害、労働力搾取、不法滞在などの問題点を最小化しうる制度を構築すべきだと強調している。香港やシンガポールなどのすでに関連制度を導入している国では、人権侵害問題などが発生しているためだ。

松島/チョ・ヘヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1090245.html韓国語原文入力:2023-05-02 16:17
訳D.K

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