原文入力:2010-03-08午前08:49:20(2391字)
各国政府, 禁煙区域拡大・税金引上げなど早足
メジャー企業等, 判決不服・マーケティング多様化‘反撃’
チョ・イルジュン記者
←世界タバコ規制政策現況
世界各国がタバコとの戦争をますます強化している。巨額の賠償金,禁煙区域拡大,タバコ税引き上げなどが相次ぐ。しかし世界保健機構は特に貧しい地域と女性の喫煙率が増加していることを憂慮し "全世界人口の中で国連が勧告した5種の禁煙政策基準中の一つでも恩恵を受ける比率が10%を越えていない" と最近<グローバル タバコ流行報告書2009>で指摘した。巨大タバコ会社たちも裁判所判決不服,規制抵抗,マーケティング開発など必死の生存戦略で対抗している。
#1. "喫煙が私を殺しました。"
去る2日、英国,ロンドン郊外のセントメリー共同墓地に入った霊柩車には異色の字句が書かれたプラカードが目を引いた。ヘビースモーカーだった故人が肺気腫で亡くなる一ヶ月前に遺言で頼んだことだった。このプラカードは "禁煙メッセージを伝える" という故人の生前希望により一週間墓のそばに置かれる。
#2. "タバコ業界は無慈悲で欺瞞的であり、富裕でありながら力も強い。"
マーガレット チェン世界保健機構(WHO)事務総長は先月26日、スイス,ジュネーブで開かれたタバコ規制協約発効5周年記念式演説で各国政府の制度的禁煙努力を促した。タバコ規制協約はすでに164ヶ国が批准した。しかし今でも世界では年間500万人が喫煙関連の病で亡くなっていると推測される。6秒に1人の計算だ。
←生涯喫煙した末に肺疾患で死亡した英国のある男性の棺が去る2日 "喫煙が私を殺しました" と書かれたプラカードがかかった霊柩車を後に墓地へ向かっている。 ドーバー/AP連合ニュース ■清浄地帯拡大
今年に入り公共場所での喫煙を禁止する国が急速に増加している。2007年から閉鎖された公共場所での喫煙を禁止した英国は、禁煙区域を建物入口まで拡大する方案を検討中だと英国保健部が先月明らかにした。
日本厚生労働省は先月、飲食店・宿泊施設・商店街・病院・列車駅など公共場所での喫煙を禁止するよう全国地方自治体に通知し、間接喫煙防止のために職場内禁煙も推進する方針だ。世界最大のタバコ消費国である中国も規制の隊列に参加した。去る1月、北京では上海・洛陽・青島など主要7都市の役人たちと保健専門家たちがワークショップを開き、積極的な禁煙政策を施行することにした。
飲酒に厳格な代わりに愛煙家の天国だったアラブ イスラム圏にも喫煙規制の風が起こっている。米国<ABC>放送は去る2日、レバノン,トルコ,シリア,ヨルダン,イエメンなどが公共場所禁煙法を推進していると伝えた。多くは成人男性の60%以上が喫煙者であり女性喫煙率も40%を行き来する国々だ。
■天文学的賠償金
世界最大のタバコ生産国である米国では、喫煙死亡者遺族の訴訟が続きタバコ会社らに懲罰的課徴金まで含めた喫煙人高額賠償金を払わせる判決が相次いでいる。
昨年3月米連邦大法院は45年間タバコを吸い続け肺病で亡くなった遺族に7950万ドル(約900億ウォン)を賠償しろとの最終判決を下した。1審判決以後12年にわたる法廷争いだった。5ヶ月後にはロサンゼルス裁判所が肺癌で亡くなった女性の遺族にタバコ会社が1380万ドルを賠償せよと判決した。先立って2月にはフロリダ州裁判所でタバコ会社が喫煙死亡者の夫人に800万ドルを賠償せよとの陪審員評決が出てきた。タバコ訴訟はますます増える傾向だ。
世界2位国富ファンドのノルウェー政府年金基金は去る1月、タバコ産業に対する全面的投資中止を発表した。この措置で我が国のKT&Gを含め世界17ヶ タバコ会社が投資対象から除外された。
■規制vs抵抗
米国では来る6月からタバコの箱に‘ライト’‘マイルド’‘低タール’のような単語表記が禁止される。タバコに含まれるすべての成分も公開しなければならない。昨年5月、連邦控訴法院が“‘優しいタバコ’という印象を与えることは消費者欺瞞”という2006年判決に手をあげることにより、大幅に強化された禁煙関連法が正式発効されるためだ。米国タバコ会社らは最近10余年間30億ドルを越えるロビー資金を動員しこの法案の議会通過を防いでいた。
しかし法施行を控えタバコ会社と米国政府は再び激突した。フィリップ・モーリス,レイノルズ,ロリルラドゥなどメジャー企業等は先月19日、大法院に‘消費者欺瞞’判決に対する再審理を要請した。政府が‘欺瞞’規定を不適切に適用したうえ、控訴法院判決が検事側主張を偏重したという論理だ。米国政府もタバコ会社らの禁煙運動支援基金造成と‘ライト’タバコ販売収益金の罰金還収を主張し、やはり最高裁上告で対抗した。
米国タバコ会社らはタバコの箱を明るい色に変える‘カラーマーケティング’も始めた。フィリップ・モリスの‘マルボロライト’は金色包装の‘マルボリゴールド’に、‘マルボロウルトラ ライト’は銀色包装の‘マルボロ シルバー’に変身した。他のタバコ会社らも明るくやわらかい色にパッケージを取り替えたタバコを矢継ぎ早に市場に出している。米国食品医薬品局(FDA)はこのような‘カラーコーディング’の関連法抵触可否検討に入った。
チョ・イルジュン記者iljun@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/408685.html 訳J.S