原文入力:2010-03-05午後06:58:27(1513字)
イ・チュンシン記者
←<弱者が強者に勝つ方法>アン・ビョンギル著作/東・14000ウォン
‘でたらめ’自由民主主義が幅を利かす。
学校では自由民主主義をきちんと教えず、政党の政治綱領も‘でたらめ’自由民主主義を指向している。共同社会よりは利益社会に近い政党が、意味不明な‘共同体’を強調する。インターネットユーザーたちは悪口,人身攻撃,名誉毀損を日常的に行い自由と騒ぎ立てる。最近では裁判所で民主労働党 カン・キガプ代表に無罪判決が下された。保守右翼団体は裁判所が‘自由民主主義体制を否定した’として猛烈に抗議した。また、ろうそくデモや各種反政府デモが開かれる度に‘自由民主主義’と‘大韓民国正統性’を振りかざし批判の刃を研いだ。これらは果たして‘自由民主主義’という言葉をまともに使っていると言えるだろうか? <弱者が強者に勝つ方法>は、これらが口にする自由民主主義は‘でたらめ’だとし、自由民主主義の仮面をかぶった権威主義に過ぎないと語る。10余年間、大学教壇で政治学を講義してきたアン・ビョンギル氏はこの本で保守主義者らが自分たちの利益のために‘自由民主主義’をかぶせておいた権威主義の仮面をはがす。彼は「憲法に保障された自由と平等の権利、そして民主性が充満しなければならず、市民はそれを守るために抵抗し闘争しなければならない」と主張する。
過去の独裁と権威主義政権は国民を欺くための手段として‘でたらめ’自由民主主義を活用した。これらは反共だけが自由主義だと強弁した。我が国の人々は自分の意見と違えば相手方を一種の悪として見る傾向がある。‘反共は善’であり‘共産主義は悪’という式だ。政治学ではこのような見解を権威主義的という。したがって反共のみを自由主義だと固執するのは権威主義的見解だ。
この本で提示する説明と主張の大部分が3ヶ所のインターネット同好会や掲示板から出ている。著者は自由と民主を説明し、インターネット社会を例にあげる。インターネット掲示板を利用するインターネットユーザー‘ウソク’と‘トジュン’は合理的だ。ここで合理的ということは道徳的で辞書的な定義ではなく、利己的個人主義者たちを意味する。これらを各々悪口屋と模範生と仮定する。これらが掲示板に文を載せる過程で、自由と放縦,自由と自由が‘頭突き’する状況が起きる。自由と自由が頭突きする状況からは民主主義を、自由と放縦が頭突きする状況からは抵抗という核心原理を引き出す。
現実もインターネット社会と同じだ。4大河川事業,牛肉交渉がなぜ自由民主主義原則に外れるのかいちいち指摘する。単純過半数原則をまともに守れずにいる大統領選挙制度も決選投票制に変えようと提案する。また地域主義を克服できる国会議員選挙制度改善方法も提示する。
正しくなされた自由民主主義に対する理解と参加が不足すれば、国家や一部市民の放縦が自由の仮面をかぶり、むやみに暴れることになる。そうなると市民の自由と権利が毀損され、民主主義の後退を招く。著者は弱者が強者に対抗して勝てる方法が‘自由民主主義’の中にあると話す。強者が権威主義で社会的弱者を抑え付ける後退した民主主義時代。家庭,職場,社会,政治の領域で弱者がどうすれば強者に勝つことができるか‘自由民主主義’がその解答を知らせている。
イ・チュンシン記者 cslee@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/408359.html 訳J.S