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「サンキュー、パウエル」…利上げ「速度調節」発言でドルは1200ウォン台に

登録:2022-12-02 03:56 修正:2022-12-02 08:03
1日のウォン相場はウォン高ドル安が19.1ウォン進んで終値は1ドル=1299.7ウォン。写真はソウル中区明洞のハナ銀行本店ディーリングルームの1日の様子/聯合ニュース

 ドルが約4カ月ぶりに1300ウォンを割り込んだ。

 1日のソウル外国為替市場は、前取引日の終値よりウォン高ドル安が19.10ウォン(1.45%)進み、1ドル=1299.70ウォンで取引を終えた。この日の市場は1ドル=1301.0ウォンで幕を開け、直後にドルが1300ウォンを割り込み、一時はウォン高ドル安が24.2ウォン進んで1ドル=1294.6ウォンとなった。ドルの終値が1300ウォン以下になったのは8月5日(1298.3ウォン)以来約4カ月ぶり。

 ドルは取引中に1307.8ウォンまで上がったものの、午後3時ごろから1300ウォン付近で輸入企業の決済需要、底値購入勢力のドル買い、輸出企業の保有ドル売りが激しい神経戦を繰り広げた末、1ドル=1299.70ウォンで取引を終えた。年内のドルの最高値(10月25日取引中1444.2ウォン)に比べればウォン高ドル安が144.5ウォン(10.0%)進んだ。

 この日のウォン相場およびドルインデックス(主要6カ国の通貨に対する米ドルの価値)は、12月の政策金利引き上げの速度調節を公式表明した米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の発言に歓呼した。パウエル議長は先月30日(以下現地時間)、ワシントンにあるシンクタンク「ブルッキングス研究所」で「政策金利はインフレを制約する水準へと近づいた。利上げ速度を合理的に緩和すべき時期は、早ければ12月の会議の時となりうる」と述べ、14日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)での「ビッグステップ」(一度に0.5ポイントの利上げ)を示唆した。

 パウエル議長が「高い金利を長期間維持する」としつつも通貨緊縮の速度調節の具体的時期を特定したことが、ドル高傾向が解消される契機として作用したと分析される。前日夜に107.067まで上昇したドルインデックスは、1日午後4時30分には105.420と大幅に下落した。NH先物のキム・スンヒョク研究員は「パウエル議長の12月速度調節発言で米国債金利が急落したことで、ドルが下落した」とし、「この日FRBから発表されたベージュブック(地区連銀経済報告)で成長の停滞および景気減速、労働市場の冷えこみが分析されていることも、ドル安を招いた」と述べた。

 10月初めからドルインデックスの騰落幅より大きな変動を示してきたウォン相場は、11月11日に10月の米国消費者物価指数が発表され、インフレが「ピークを過ぎた」ことが示唆されたことを受け、1318.4ウォン(終値、前日に比べ59.10ウォンのウォン高ドル安)までウォン高ドル安が進んだが、その後は再びドル価値の変動幅と似た変動を示している。

チョ・ゲワン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1069800.html韓国語原文入力:2022-12-01 16:55
訳D.K

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