今度は「脅し」だ。「休暇を延長してくれなければ会社を辞める!」
始まりは「感謝」だった。国際サッカー連盟(FIFA)公式ツイッターアカウントは23日、カタールW杯1次リーグE組第1戦、日本対ドイツ戦の観客席にいた日本人男性サポーターの写真を掲載した。彼は「上司へ。2週間の休暇ありがとう」と書かれた紙を持っていた。2日後、日本の通信会社NTT東日本の公式ツイッターアカウントはこれをリツイートし、「休暇とワールドカップを楽しんで。君の上司より」と反応した。この男性はNTT東日本の社員だったという。
そして、27日に行われた1次リーグ第2戦の日本対コスタリカ戦。今度はまた別の日本人男性が明るい笑顔で「上司へ。休暇を延長してくれなければ(会社を)辞める!」というメッセージが書かれた紙を掲げた。ドイツ戦のサポーターの真似をしたわけだが、さらに一歩進んで休暇延長まで要求。日本が第1戦で強豪ドイツを破り、決勝トーナメント進出の可能性が高まったことを反映したものでもあった。
しかし、日本は同日、E組で最も弱いとされていたコスタリカに0対1で敗れ、ベスト16入りに暗雲が立ち込めている。その後行われたドイツとスペインの試合が引き分け(1-1)で終わり、ベスト16入りへの道はさらに険しくなった。1次リーグ最後の第3戦で日本はスペインと、ドイツはコスタリカと対戦する。日本がスペインに敗れ、ドイツがコスタリカに勝てば、日本は決勝トーナメント進出の夢は潰える。そのため、この日本人男性サポーターも休暇延長なしに当初予定されいた休暇だけを使って会社に復帰しなければならない確率がさらに高くなった。
一方この日、競技場に一部の日本人サポーターが旧帝国主義の象徴である旭日旗を持って入場した。