検察は9日、野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表の最側近であるチョン・ジンサン党代表秘書室政務調整室長に収賄の疑いなどを適用し、強制捜査に乗り出した。もう一人の最側近であるキム・ヨン民主研究院副院長を不法大統領選挙資金授受の疑いで拘束起訴した翌日だ。ソウル汝矣島(ヨイド)の民主党本部をはじめ、国会議事堂の事務室に対しても同時多発的に家宅捜索を行った。民主党は梨泰院(イテウォン)惨事国政調査を要求する野党第1党に対する強制捜査再開に対して「局面転換のための政権と検察の野合だ」と反発した。
ソウル中央地検・反腐敗捜査1部(オム・ヒジュン部長)は同日午前、腐敗防止法および特定犯罪加重処罰法の賄賂等の疑いで、国会議事堂および民主党本部内の党代表秘書室などに対する家宅捜索令状の発行を裁判所から受けて執行した。検察は、チョン室長もキム副院長と同様に大庄洞(テジャンドン)・慰礼(ウィレ)新都市事業の過程で民間事業者側に恩恵を与え、その対価として2013~2020年に計1億4千万ウォン(約1500万円)の裏金を受け取ったとみている。大庄洞の開発収益を分け合うことで民間事業者などと共謀した疑い(不正処事後収賄)なども、家宅捜索令状に含まれていることが確認された。
民主党本部の家宅捜索は、先月24日に続き16日ぶり。今回も党役員らが阻止し、5時間近く対峙した末に党本部に進入した検察は、2時間30分にわたり家宅捜索を行ったが手ぶらで撤収した。民主党関係者は「本部内のパソコン5台をフォレンジックしたが、チョン室長が使用したパソコンがないという事実を確認して撤収した。これに先立ち、検察にチョン室長は本部で勤務していないためデスクもないと知らせたのに、過剰捜査をした」と話した。
国会議事堂にある党代表秘書室も家宅捜索の対象になった。検察は「国会議事堂が持つ象徴性を考慮し、任意提出形式で進めてほしい」というキム・ジンピョ国会議長の要請によって待機していたが、午後6時頃、本館2階の秘書室に進入して直接家宅捜索を行った。
民主党は「梨泰院惨事による国民の怒りの矛先を変えようとする政治的ショー」と規定した。イム・ソンスク最高委員は、イ・ジェミョン代表が主宰した最高委員会議で「梨泰院惨事の哀悼期間が終わるやいなや再び家宅捜索を試みたのは、国民の怒りの矛先を政治報復捜査に向けようとする政権と検察が野合した結果だ。総体的危機を免れるための尹錫悦政権の検察独裁、政治弾圧を強く糾弾する」と述べた。