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地下190メートルに埋もれた鉱山作業員2人、奇跡の生還=韓国

登録:2022-11-05 10:16 修正:2022-11-06 07:18
慶尚北道奉化郡の亜鉛採掘鉱山埋没事故から10日目の4日午後11時3分頃、孤立していた作業員2人が生還したと救助当局が明らかにした。写真は同日生還した作業員が外に出てくる様子=2022.11.5消防庁提供/聯合ニュース

 事故発生から10日目。期待と希望があきらめと絶望に変わりかけた瞬間、皆が祈っていた奇跡が現実となった。慶尚北道奉化郡才山面葛山里(ポンファグン・チェサンミョン・カルサンリ)の亜鉛鉱山崩壊事故で埋もれた鉱山作業員2人が、劇的に生還したのだ。4日午後11時3分、孤立から221時間たってのことだった。漆黒の地下坑道で、応急手段を使い自らを守ったベテラン鉱山作業員の知恵と経験が作り出した奇跡だった。

 慶北消防本部は4日、「坑道で孤立していた組長のAさん(62)と補助作業員のBさん(56)の2人を、午後11時3分頃、無事救助した」と明らかにした。慶北消防本部は「消防救助隊員1人と鉱山救助隊員1人が捜索して最終的に救助した。救助地点は当初作業していた地下190メートル地点付近だった。地下で非常手段を動員して体温が下がらないようにし、長時間耐えたようだ」と付け加えた。

慶尚北道奉化郡の亜鉛採掘鉱山埋没事故現場で4日午後11時頃、救助当局が孤立していた作業員2人を救助して移動させている。写真は同日、鉱山作業員たちが病院に搬送される様子=慶北消防本部提供//ハンギョレ新聞社

 坑道の外で鉱山作業員たちの無事の生還を祈っていた家族や同僚、救助作業員らは、歓呼とともに涙を流した。組長のAさんの息子のクンヒョンさん(42)は、「父が元気そうに自分の足で歩いて坑道の外に出てきた。信じられない。皆さんがたくさん関心を寄せてくださり、必ず生きて帰ってくると応援と励ましもたくさん送ってくださったので本当に感謝している」と話した。補助作業員のBさんの姪のイム・ユリさん(32)は、本紙の電話インタビューで「安東病院に移動中だ。10日間本当に不安だったが、救助当局と苦労されたすべての方々に心から感謝している」と話した。救助された鉱山作業員たちは、待機していた救急車で病院に運ばれた。

 救助当局はこの日、埋もれた鉱山作業員たちの避難予想地点にボーリング孔3つを連結した後、内視鏡カメラと音響探知機を通じて坑道内部を探索する一方、2日に新たに発見した進入路を通じて埋没した坑道までの連結通路を確保するために、岩石の除去作業を急いだ。ついに同日夜、埋没場所につながる通路が確保され、ここを通じて埋もれた鉱山作業員たちが歩いて出てきた。

慶尚北道奉化郡の亜鉛採掘鉱山埋没事故から10日目の4日午後11時2分頃、孤立していた作業員2人が生還し、5日未明に安東病院に到着した=2022.11.5/聯合ニュース

 2人の鉱山作業員は先月26日、地下190メートル地点で坑道レールの設置作業をしていたところ、第1垂直坑道に突然押し寄せた土砂300~900トンが坑道の下に垂直に流れ込んだことで孤立した。彼らと共に作業中だった鉱山作業員5人のうち2人は、26日午後8時頃に自力で抜け出し、3人は非常階段が流され坑道の中に閉じ込められていたが、業者側の自主的な救助で午後11時頃に外に出た。しかし、2人は救助の手が届かないところに孤立したまま、10日間を過ごさなければならなかった。

奉化/キム・ギュヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/area_general/1065839.html韓国語原文入力:2022-11-05 09:24
訳C.M

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