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尹大統領の対北朝鮮強硬策に世論「冷ややか」…30%序盤で支持率足踏み

登録:2022-10-18 05:51 修正:2022-10-21 07:11
尹錫悦大統領が17日、龍山大統領室に出勤し記者団の囲み取材に応じている=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の同時多発的な武力示威で安全保障の危機が高まっているが、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は支持率巻き返しの契機をなかなかつかめずにいる。北朝鮮の脅威など安全保障のリスクが高まるほど大統領の支持率が上昇する以前の様相とは異なる。尹大統領の「強硬一辺倒の対応策」が国民に支持されていないものとみられる。

 リアルメーターが「メディア・トリビューン」の依頼を受けて11~14日、全国の成人2014人を対象に調査した結果(信頼水準95%、標本誤差±2.2ポイント)、尹錫悦大統領の国政遂行を評価するという回答は33.1%だった。1週間前の調査より支持は1.1%上昇し、不支持は1.6%下落(65.8%→64.2%)した。与党「国民の力」支持層の支持率は80.1%で先週(79.8%)とあまり変わらず、政治的傾向別では保守層の支持が2.2ポイント上がった56.4%だった。国民の力の政党支持率は1.1ポイント上昇した36.3%だった。北朝鮮が「戦術核運用部隊訓練」を大々的に公開し、軍用機が「戦術措置線」を超える武力示威を行ったうえ、東海(トンヘ)と西海(ソヘ)の「海上緩衝区域」に砲兵射撃をするなど緊張が高まったにもかかわらず、尹大統領の支持率には大きな変動はなかった。

 14日に発表された韓国ギャラップの世論調査も類似した結果だった。尹大統領の支持率は28%で、1週間前と比べてむしろ1%ポイント下がった。「北朝鮮の核・ミサイル挑発にどう対応すべきか」という質問には、「平和的かつ外交的解決に向けた努力を続けるべきだ」という意見が67%、「軍事的解決策が必要だ」という意見が25%だった。(詳細は中央選挙世論調査審議委員会ホームページを参照)

 専門家たちは、平和的かつ外交的解決より軍事的方策に集中している政府・与党の強硬策に世論があまり好意的ではないと診断した。ハンギルリサーチのホン・ヒョンシク所長は同日、本紙との電話インタビューで、「今の安全保障上の危機状況を引き起こした原因が、ある程度は現政権の『対北強硬路線』にあると(国民が)判断しているものとみられる」とし、「現在の戦略では既存の保守支持層を基盤とした支持率の巻き返しは難しい。中道層が重視する価値を実現する方法も考慮する必要がある」と指摘した。リアルメーターのペ・チョルホ専門委員は「慢性的な安全保障不感症と現政権の対北朝鮮強硬対応の基調、国内の経済的な問題の方が敏感な世論、国政監査期間における政争の浮上などの要因で、保守層の結集が意味のある支持率上昇につながらなかった」と分析した。

キム・ミナ、イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1063044.html韓国語原文入:2022-10-18 02:42
訳H.J

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