ウクライナ侵略以降、ロシア経済は経済制裁によって大きな打撃を受けているという研究結果が発表された。
イェール大学経営大学院は最近の報告書で、ロシア経済は2月24日のウクライナ侵略以降、国際エネルギー価格の上昇で大きな収益を得たものの、国際社会の制裁の衝撃を十分に吸収できておらず、大きな困難に直面していると述べた。AFP通信が1日に報道した。
同報告書は「制裁によって事業が困難に陥っているだけでなく、あらゆる分野でロシア経済は徹底的に打撃を受けている」とし、「ロシア国内の経済は事業損失、製品および人材の損失を代替する力がないため、完全に止まっている状態になっている」と述べた。
報告書は、ほとんど公開されていない数値と資料を引用している。ロシアはこのところ、経済関連の主要統計を発表しないか、したとしても略して発表している。イェール大学最高経営責任者リーダーシップ研究所(CELI)所長のジェフリー・ソネンフェルド氏ら報告書の執筆陣は、ロシア経済全般を理解するため、複数の企業、銀行、コンサルタント、ロシアの貿易パートナーなどと接触したと述べた。
報告書によれば、ロシアで営業していた1000社あまりの外国企業が営業を中止しており、これは500万人の雇用に影響を与えたと推定される。産業生産力は急減し、消費は年に15~20%ほど落ちた。
ロシア経済の困難を最もよく示す代表的な例は自動車産業だ。乗用車販売は月平均10万台から2万7千台へと、ほぼ4分の1に減少した。自動車生産は部品と主要機器の不足で円滑に回っていない。自動車メーカーは輸入部品が手に入らないため、エアバッグのない手動変速車を出庫している。
報告書は、欧州がロシアの天然ガス輸入を中止すればロシアは天然ガスの輸出先を失い、「解決不能」の状況に直面するだろうとし、「石油と天然ガスの輸出で得る収入が減れば、ロシアは直ちに財政運用に困難を感じるだろう」と述べた。
報告書のこのような内容は、ロシア経済はこれまで制裁にも大きな打撃を受けておらず持ちこたえているという従来の観測とは異なるため、注目される。国際通貨基金(IMF)は先週、ロシア経済は景気収縮に見舞われてはいるものの、エネルギーや原材料の輸出の収益によって予想より順調に回っていると述べている。