尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、就任後初となるインタビューを23日午前、米国CNNと行った。
大統領室は夕方6時ごろにインタビューでの発言を抜粋して公開し、17分後に再び「放送されるインタビューにはないもの」だとして追加内容を公開した。
公開されたものでは、尹大統領が「北朝鮮の顔色をうかがう過度に融和的な政策は、結果的に失敗したことが証明された」と答えたとなっている。しかしCNNのウェブサイトでは「尹大統領は以前の進歩政権の懐柔戦略を指摘しつつ、この5年間のこのようなアプローチは失敗だということが証明されたと述べた」となっている。
大統領室は「原文と異なる部分がある」との記者の指摘が相次いだことから、改めて2時間後に、「尹大統領は『一時的な挑発と対決を避けるために、多くの人々はそれを『屈従外交』と表現しているが、相手の機嫌または相手の顔色をうかがうような政策は何の効果もなく、失敗したということが、この5年間ですでに証明された』と述べた」と発表した。インタビューでは文在寅政権を指す「この5年」や「屈従外交」という表現を使ったにもかかわらず、敏感さを考慮して当初は公開しなかったのではないかと指摘されたのだ。
大統領室は21日の韓米首脳会談の際にも「特定の文句が脱落している」と疑われている。その日、尹大統領は「ワシントン・ポスト」の記者に内閣の男性偏重を指摘され、「大統領選挙運動中に、女性家族部の廃止を公約しているが」と問われた。しかしその日、同時通訳はこの内容を通訳せず、大統領室が配布した資料でもこの内容が抜けている。大統領室の関係者は、同時通訳をそのまま文字起こししただけだと釈明したものの、尹大統領が女性家族部の廃止公約をめぐって大きな批判を浴びていることから、後味はすっきりしない。
尹大統領は候補時代の今年3月、ワシントン・ポストと「そのような観点において(自分は)フェミニストだと思う」と述べたかどうかをめぐって攻防を繰り広げている。当時ワシントン・ポストは、尹大統領が「フェミニズムはヒューマニズムのひとつで、性差別と不平等を現実として認め、不平等と差別を是正していこうとする運動のことをいう。そのような観点においてフェミニストだと思う」と語ったと報じたが、尹候補の選挙対策本部はそのようなことは言っていないと述べた。その後、ワシントン・ポストの記者は「フェミニスト」発言を含む原文を公開して改めて反論した。
慶煕大学公共ガバナンス研究所のチェ・ジンウォン教授は「ジェンダーのようなテーマにピリピリし、論争を避けていこうとする側面はあるように思える」とし、「発足当初に批判につながる部分を避けようとするのは当然かもしれないが、いつまでも理解してあげることはできないだろう」と語った。