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[東京から] チョン・ヨオク議員の上告は良いこと/キム・トヒョン

登録:2010-02-02 10:35

原文入力:2010-02-01午後09:18:11(1658字)

キム・トヒョン記者

←キム・トヒョン特派員

2007年1月初め、東京特派員として赴任して一ヶ月ほど過ぎた時のことだ。2月6日付<朝日新聞>に‘本社記者による記事盗作問題で処分’というかなり長文の記事が載せられた。

<朝日新聞>は自社調査の結果、新潟総局所属写真記者(47)が作成した計16件の写真記事中3件が他の新聞記事を書き写したものと発表され、当事者を解雇し監督責任を問い、東京本社編集局長と編集局写真部センターマネジャーを更迭,減給処分したと報道した。発端は1月31日に問題の写真記事を見たあるインターネット媒体が暴露したところから始まった。しかし<朝日新聞>は内部真相究明を実施し、追加盗作事実を明らかにし編集局高位幹部にまで連帯責任を問うなど自浄努力を見せてくれた。

新聞はその理由をこのように説明した。"取材で事実を判断し、自身の言葉で伝達する記者の仕事の核心部分がないがしろに扱われてしまいました。あってはならない事態が起きたことを深刻に反省し処罰を行い人事管理を含め責任を明確にしました。" この記事を見て毎年世論調査で日本新聞に対する国民信頼度が85%水準を維持しているのは、まさに内部不正に対する自浄努力のためではないかと考えた。

3年前の外国の事件を今になって新たに取りあげた理由は、<韓国放送>東京特派員を務めたチョン・ヨオク ハンナラ党議員が最近2審訴訟事件判決以後に見せた一連の態度を見て感じる点が多いためだ。

ソウル高等法院民事13部は去る1月13日、チョン議員が自身の出世作である<日本はない>に対し記者会見で盗作疑惑を提起した在日言論人ユ・ジェスン(現<JPニュース>代表)氏など5人を相手に名誉毀損などの疑惑で計5億ウォンの被害補償を提起した訴訟で原告敗訴判決を下した。「原告が被告ユ・ジェスンの取材内容,素材およびアイディアなどを無断で使い、これを引用し、本事件の本の一部分を作成したと見ることが相当だ」ということが裁判所の判決だった。1審に続き2審でも原告の盗用を認めたわけだ。

しかし、チョン議員は去る25日韓国放送ラジオに出演し「法というものが無念な人々をひどく量産するのだなという多くの教えと悟りを得られ、私自身の成長にとても役立った」と司法府に矛先を転じ、大法院に上告するという意思を明確にした。これに先立ち20日には自身のホームページに「政治をすることは苦難の道であるようだ」とし<孟子>の文を引用し自身の相次ぐ敗訴を‘将来大きな任務を任せようとする天の意志’と明らかにすることもした。

またチョン議員側が公開した上告理由書は「大部分の言論が今回の事件の請求趣旨を不法行為による損害賠償でなく、いわゆる‘盗作’疑惑の真偽争いに追い込むのは事実と異なる明白な誤報」と主張し、かえって言論の報道態度を非難することもした。ところが、今回の訴訟の核心は盗作の真偽ではないとの主張はかなり的を外した発言だ。当初、盗作でないと主張し訴訟を提起したのはチョン議員側ではないのか? 大法院への上告は民事の場合、法適用の妥当性を問う裁判なので、1,2審判決が覆されるケースは殆どないという。しかし、もしかしたらチョン議員が最後まで法的是非を明らかにしようとする姿勢は良いことかもしれない。司法府の最終判断により責任の所在が誰にあるのかが明白になるためだ。その方が韓国言論のためにも良い判例を残すことだと考える。

チョン議員は特派員時期の取材を土台に<日本はない>を書いたと主張した以上、‘あってはならない事態’に対する潔白を立証しなければならない責任がある。

キム・トヒョン特派員aip209@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/402216.html 訳J.S