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平均88歳…「サハリン同胞法」の初の対象者となった1世21人が韓国に永住帰国

登録:2021-11-26 00:58 修正:2021-11-26 08:32
1993年、ロシアのサハリンから韓国へと向かう韓人同胞の家族が別れを悲しんでいる=釜山民主抗争記念事業会提供//ハンギョレ新聞社

 平均年齢88歳のサハリン同胞1世21人が、「サハリン同胞支援に関する特別法」の初の対象者に選ばれ、約70年ぶりに27日に永住帰国の途につく。

 外交部の当局者は25日、記者団に対し「今年度のサハリン同胞法の施行に伴い、政府は日帝強占期当時にロシアのサハリンに移住し、故国に帰還できずサハリンで暮らしてきた同胞とその同伴家族の永住帰国、および定着支援事業を関係省庁の緊密な協業を通じて進めてきた」とし「337人がこの事業の対象者として支援を受ける予定」と明らかにした。このうち77人はすでに韓国内におり、残る260人は来月11日までに順次入国する予定だ。27日に入国する91人の対象者のうちの21人はサハリン同胞1世で、配偶者や50代~60代の子どもたちなども共に帰国する。

 サハリン同胞は、日帝強占期に強制徴用労働者などとして移住し、第2次世界大戦の終了後は日本国籍剥奪措置によって帰還できず、サハリンに留まることになった人々だ。当時、4万3000人あまりがサハリンから帰還できずに残留したとされる。サハリン同胞の永住帰国事業は1994年の韓日政府間合意によって始まり、両国の赤十字同士の協定などを通じて共同で進められてきたが、2016年からは韓国政府単独で行われている。この事業を通じて、この30年あまりですでに4408人が永住帰国している。

 外交部の当局者は、「人道的観点」から進められてきたこの事業は「歴史的特殊性に起因するサハリン同胞の永住帰国および定着は政府の責務と規定したサハリン同胞法にもとづき、韓国政府が予算を全額負担して実施するという点で意味がある」と説明した。サハリン同胞法案は2005年や2009年などにも上程されたが、その度に国会で可決されず、昨年ようやく制定された。同法の施行で、かつてはサハリン同胞1世とその配偶者、障害者の子どもに制限されていた永住帰国資格の範囲が、直系卑属にまで拡大されてもいる。

 今回帰国する同胞たちは、新型コロナウイルスの防疫手続きに従って10日間にわたって施設で隔離を受けた後、永住帰国した同胞1世たちが主に住む京畿道安山(アンサン)や仁川(インチョン)などの国民賃貸住宅に入居することになる。さらに、永住帰国後の韓国生活への適応や定着のための支援キャンプに3カ月ほど参加する予定となっている。

 政府は来年にも事業を進める方針だが、依然としてサハリン同胞の実態や需要の調査などが体系的に行われていないという限界も指摘されている。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1020803.html韓国語原文入力:2021-11-25 16:41
訳D.K

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