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裁判所 "合理的理由のある‘政策批判’は言論の自由"

登録:2010-01-21 08:19

原文入力:2010-01-20午後08:40:42
動画の牛たち狂牛病の可能性…‘ないとは断定できず’
アレサの母親 vCJD発言…‘虚偽事実ではない’
韓国人 遺伝的に狂牛病にぜい弱…‘客観的事実と一致’

パク・ヒョンチョル記者

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<文化放送>PD手帳製作陣に無罪を宣告した1審裁判所は虚偽・わい曲報道として検察が起訴した内容を全て "虚偽事実とは見られない" とし、報道の客観性を認めた。裁判所は詳しい内容の中に一部誇張された部分があっても意図的わい曲や虚偽ではない以上、報道の正当性が認められ、従ってPD手帳が公職者の名誉を傷つけたり牛肉輸入業者の業務を妨害したとは見られないと判断した。

裁判所は検察が‘意図的翻訳と悪意的わい曲’として控訴事実に含ませた事例を合理的な事実に基づく批判報道と認定した。検察が "代表的なわい曲事例" として挙げた‘座り込む牛’(ダウナー牛)動画に対し、裁判所は「△狂牛病の牛は座り込むこと以外に他の特異な症状を示さず△1997年の飼料禁止措置だけでは狂牛病危険を統制することに限界があると米国自らが認めており△米国の低い狂牛病検査比率のために1997年以後、米国で生まれた牛から狂牛病が発見されないでいるのではと疑う余地がある点」 等を根拠に 「動画の中のダウナー牛が‘狂牛病にかかっている可能性が殆どない’と断定することはできない」と判断した。

PD手帳が‘米国人アレサ・ビンスンが人間狂牛病の疑いの診断を受け死亡した’と報道した内容の意図的わい曲翻訳有無に対しても、裁判所は「放送当時までは正確な死因が明らかになっておらず、放送以後に急性ペルニケ脳病弁と明らかになったと言って報道内容を虚偽と見ることにはならない」と判断した。検察は 「アレサの母親であるロビン ビンスンがインタビューで‘アレサがCJDである可能性があると言ったのです’をPD手帳は‘vCJD(人間狂牛病)’と変えて報道した」と主張したが、裁判所は 「ロビン ビンスンが話した‘a variant of CJD’,‘CJD,the varient’等が米農務部官報,米疾病統制センターの資料によればvCJDを意味するものとして使われており、遺族たちが提起した訴訟の訴状にも‘アレーサ・ビンスンがMRI撮影の後、変種クロイツフェルトヤコブ病(vCJD)診断を受け退院した’と記載されている」として虚偽事実でないと明らかにした。

裁判所はまたアレーサ・ビンスンの死因と関連し「インタビュー内容をわい曲し字幕処理することにより人間狂牛病にかかり死亡したと断定した」という検察主張も 「フリーランサー翻訳家らの翻訳本が監修過程で正されなかった部分があるが、製作陣が意図的にわい曲したり修正した跡は見当たらない」 として受け入れなかった。

裁判所は‘韓国人が遺伝的に狂牛病にぜい弱だ’という報道は‘狂牛病が国内で発生するならば、変種患者の発生の可能性が世界で最も高い国になる可能性があること’を暗示する論文が2004年に発表されており、そのような研究結果が特別な批判なしに受け入れられた」とし「誇張されたり誤った表現があるものの内容全体の趣旨や重要な部分が客観的な事実と一致する」と判断した。
"‘特定危険物質(SRM) 7種類中5種類が輸入される’と虚偽報道した" という検察主張に対しては、 「わが政府の従来分類基準に従ったもので虚偽と見られない」と判断した。

このような細部的な事実関係を土台に裁判所は「政府が牛肉輸入交渉締結前に独自の危険分析手順を踏んだが、その後に米国の屠殺システムの問題点が提起され史上最大規模の牛肉リコール事態があり、米国の狂牛病危険統制政策の問題点が国内外専門家たちから提起されていた」とし「こうした状況で若い女性(アレサ・ビンスン)が人間狂牛病の疑いの診断を受け死亡したとすれば、米国産牛肉の安全性に疑問を持つことができ、交渉団の実態把握のいいかげんさを指摘することができる」とし報道の正当性を認めた。

裁判所は更に「国内外専門家たちの意見など相当な根拠を持って批判したものであり、米国産牛肉の安全性に疑いを持つに充分で合理的な理由がある以上、政府政策を批判したPD手帳の報道は言論の自由に該当する」と明らかにした。また「報道内容が客観的な事実と一致しており、米国産牛肉輸入業者らの業務を妨害しようとする意図があるとは見にくいので業務妨害疑惑も無罪」と説明した。

パク・ヒョンチョル記者fkcool@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/400063.html 訳J.S