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仁川空港 飛行機は‘下請け労働者’が飛ばしている

登録:2010-01-19 09:34

原文入力:2010-01-19午前07:52:42
[産業界全般に広がる社内下請け]<上>
公社職員 6900余人中 6000人が非正規職
環境美化・保安要員など3年ごとに‘雇用不安’
"公社の期間制ならば正規職転換の夢でも見るだろうが…"

イ・ワン記者,キム・ミョンジン記者

←仁川国際空港で仕事をする社内下請け労働者たちが18日午後、仁川中区,雲西洞の空港旅客ターミナルで手押し車の整理と清掃をしている。仁川空港/キム・ミョンジン記者littleprince@hani.co.kr

1997年外国為替危機以後、社内下請け労働者が急激に増加している。労働部統計に捕捉された300人以上事業場36万8590人余りの他に、中小規模事業場まで合わせればはるかに多いと予想される。勤労契約は下請け業者と結ぶものの仕事は元請け業者でしながら不利な勤労条件を甘受しなければならない社内下請け労働者の問題を2回に分けて調べる。

仁川国際空港で仕事をするこれらは大部分が自らを‘空港職員’ではなく‘永宗島職員’と話す。タラップを飛行機に連結する運転手も、飛行機に荷物を積む労働者も、エックス線で保安検索をする要員も法的には仁川国際空港公社の正式職員ではない。これらは"永宗島で仕事をする" 社内下請け労働者だ。

仁川空港 飛行機は‘下請け労働者’が飛ばしている

■下請け労働の係留場
18日飛行機が係留場に入ってくるやキム・イングク(仮名)氏はジョイステックを操縦しタラップを動かした。それが飛行機のドアに連結し乗客は連結通路を通じてゲートに出てきた。タラップは乗客がゲートから飛行機に入ったり出てこれるように設置された陸橋形態の連結通路だ。

飛行機がエンジンを停めてしまってから彼はからだを温めることができた。飛行機がいない時、タラップ運転労働者たちが待機する空間には暖房をしない。遅番労働者たちが休む空間も狭苦しい。彼らはマットレス2枚の上で3人が一緒に寝る。

寒さや‘ぎゅう詰め睡眠’より佗びしいのは3年ごとに来る再契約だ。"空港で仕事をしているとは周辺に話さない。人々は空港といえば全て高い月給をもらっている正規職だと思うから。" 仁川空港で仕事をし始めてすでに9年目。だがキム氏は今年新しい業者と契約をし再び‘新入’になった。労組が交渉を行い号俸は認められたが、年次休暇は19日から再び‘1年目’である14日に減った。彼は「公社で期間制として仕事をすれば2年後には正規職転換にもなるが、私たちには何の希望もない」と話した。

■労働3権の外側
"テロ犯のような人なら私や私たちの存在を知っているでしょう。" パク・チョンジェ(仮名)氏は仁川空港の周辺垣根で人や荷物を検索する特殊警備隊だ。彼らは警察官ではなく民間業者所属だ。4年を超えて空港で仕事をした彼は昨年6月30日突然解雇された。下請け業者が変わる時、再契約できなかった。業者は7人に対して雇用継承をしなかった。これらの内 5人が労組幹部だった。パク氏は 「数年仕事をしたのに法で保護されない」 と話した。彼らは昨年地方労働委員会に‘不当解雇および不当労働行為救済申請’をしたが却下決定を受けた。

特殊警備隊労組関係者は 「下請け業者で労組を作っていればほとんどが解雇される」として「公社が違う業者に契約を変えるため」と主張した。

■労働の未来?
仁川空港は開港時から広範囲に社内下請けを導入した。タラップ,シャトルバス,ターミナル環境美化だけでなく、内外警備,保安検索,消防隊まで民間企業が下請けで受け持っている。同じ業務を遂行しても2ヶの会社に分離した場合もある。これらの数は現在42ヶ業者6000人余りに達すると公社は明らかにした。反面、公社職員は900人余りだ。
社内下請け業者は3年ごとに入札により決定される。労働界はこういう社内下請け方式が元請け業者が法的責任なしに労働者の勤労条件と雇用に影響を及ぼしていると見ている。韓国労働研究院が2008年に出した報告書は「社内下請けが賃金費用を半分に下げることができ、元請け労組の干渉をほとんど受けないことがあり使用主が好んでいるが、社内下請けは持続的な労使関係不安定を産むだけでなく雇用不安定と賃金および勤労条件の質を悪化させ社会的両極化を拡大する可能性も高い」と指摘している。

仁川空港が‘社内下請け空港’になった理由は、開港直前に外国為替危機が勃発し空港運営の大部分をアウトソーシングしたためだ。公社関係者は「アウトソーシング用役費の大部分が人件費なので、賃金部分の直接削減は避けようと努力している」と言うが、人的費用を最大限に減らし、いつでも契約を解約できる下請けの‘甘い誘惑’を事業主が避けることは難しい。公社の2010年アウトソーシング費用節減目標は446億ウォンに達する。

従って‘仁川空港モデル’の拡散が持つ波及力は深刻だ。仁川空港地域労組関係者は「仁川空港がモデルになり、他の空港も全て社内下請けに変わっている」とし「産業全部門への拡散は時間の問題」と話した。

永宗島/イ・ワン記者 wani@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/399706.html 訳J.S