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「在日コリアンの人権の擁護者」高實康稔の遺稿集、韓国で出版予定

登録:2021-08-24 10:28 修正:2021-08-24 14:04
岡まさはる記念長崎平和資料館理事長だった故高實康稔さん=岡まさはる記念長崎平和資料館提供//ハンギョレ新聞社

 在日朝鮮人の人権を守るために先頭に立った日本人の高實康稔(1939~2017)の考えと生涯を紹介する出版プロジェクトが進められている。彼は長崎で平和資料館理事長と長崎大学教授を務め、生涯平和運動を実践した良心的知識人だった。ユネスコ世界遺産の軍艦島(端島)炭鉱の強制徴用の実情を伝え、朝鮮人の連行被害者と原爆被害者を献身的に支援したが、韓国にはその名があまり知られていなかった。

 出版社「サムチャン」は20日、高實の遺稿集『ゆるぎない歴史認識』を出版するクラウドファンディング(tumblbug.com)を開始した。3日後の23日、目標額200万ウォンの54%に当たる108万ウォンを集めた。後援は9月19日まで募集する。目標額を達成すれば、9月中に原稿を確定し、10月末に出版を終える予定だ。

 遺稿集には、彼が論文と批評として残した日本の侵略思想家としての吉田松陰と福沢諭吉批判▽加害責任と戦後補償の根拠▽韓国や中国などの強制動員被害者の実態などが記載されている。原爆の「被害者性」を強調する日本で唯一「加害事実」のみを展示した岡まさはる記念長崎平和資料館の活動と彼の生涯の年譜、著作目録も紹介する。

 高實は日帝強占期のソウルで生まれ、6歳の時に日本に帰国して山口県で成長した。1964年に九州大学仏文科を卒業し、修士・博士課程を経て1969年に長崎大学の講師に赴任した。

 彼は1977年、同僚の要請で、日本に不法滞在した韓国人を追放する前に長期拘禁する場所として悪名の高かった大村収容所の実態調査に参加した。この過程で日帝侵略戦争に加わった過去を贖罪して平和運動家に変身した岡正治牧師(1918~1994)との出会いに大きく感化され、人生が劇的に変わった。

 社会運動に目覚めた彼はその後、岡牧師とともに行動し、「長崎在日朝鮮人の人権を守る会」事務局長や代表、「岡まさはる記念長崎平和資料館」理事長、「市民運動ネットワーク長崎」や「在外被爆者支援連絡会」の代表として活動した。40年以上にわたり朝鮮人と中国人の強制連行被害者と原爆被害者の実態を調査し、「強制連行しただけに、被爆の責任は日本にある」とし、反省と補償を強調してきた。

 1995年に岡まさはる記念長崎平和資料館を設立して以来、1年に3万人の訪問客をはじめ、小説『軍艦島』の作家ハン・スサンや人権活動家のソ・スン又石大学碩座教授、ベトナム戦争の真実を追跡した映画監督オリバー・ストーンらに、日本の加害責任を力説した。

1992年5月、小説『軍艦島』の作家ハン・スサンさんと共に=岡まさはる記念長崎平和資料館提供//ハンギョレ新聞社

2015年10月、人権活動家のソ・スン又石大学碩座教授に会った高實康稔=岡まさはる記念長崎平和資料館提供//ハンギョレ新聞社
2016年8月9日、長崎原爆被害朝鮮人犠牲者追悼集会での高實さん=岡まさはる記念長崎平和資料館提供//ハンギョレ新聞社
2013年8月、ベトナム戦争の真実を3部作で描いた映画監督オリバー・ストーンさんと共にカメラの前に立った高實さん(中央)=岡まさはる記念長崎平和資料館提供//ハンギョレ新聞社

 資料を翻訳した原爆被害者支援活動家チョン・ウノクさんは「高實のおかげで朝鮮人原爆被害の状況や端島炭鉱の朝鮮人死亡者の実態などが知られるようになった」とし、「彼が韓日の民衆連帯を熱望し、市民の力で平和資料館を開いたように、まだ日本でも出版されていない彼の遺稿集を市民の力で作れることを期待する」と語った。

アン・グァノク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1008804.html韓国語原文入力:2021-08-24 02:35
訳H.J

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