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韓国のコーポレートガバナンスはアジア圏下位…12カ国中9位、日本は?

登録:2021-05-31 20:44 修正:2021-06-01 00:07
CG Watch 2020国・地域別点数と順位=資料:CG Watch 2020//ハンギョレ新聞社

 アジアコーポレートガバナンス協会(ACGA)が2020年基準で実施したコーポレートガバナンス(企業統治)評価で、韓国は12カ国中9位で下位圏に留まった。2016年、2018年に続き3回連続で9位だった。

 経済改革研究所が31日に発表したACGAのコーポレートガバナンス評価報告書によれば、韓国の総合点数は100点満点中52.9点。同協会はアジア金融危機に対応する趣旨で1999年に設立された非営利団体で、年金基金、アジア上場企業、多国籍銀行などが会員となっている。アジアの主要市場のコーポレートガバナンスの制度と慣行を評価する報告書(CG Watch)を2003年に初めて発刊し、2010年からは隔年で出している。

 今回の評価で、1位は総合点数74.7点のオーストラリアだった。オーストラリアは2016年に評価対象に含まれて以来、毎年首位を維持している。次いで香港(63.5点)、シンガポール(63.2点)、台湾(62.2点)、マレーシア(59.5点)の順だった。韓国は、日本(59.3点)、インド(58.2点)、タイ(56.6点)より低く、中国(43点)、フィリピン(39点)、インドネシア(33.6点)よりは高かった。

 韓国は7個の主要部門別評価で2018年基準評価と同じく、ガバナンス制度(10位)、上場会社(10位)、市民社会・言論(10位)の3部門で最も低い評価を受けた。投資家(3位)、政府・公共ガバナンス(4位)部門は順位がそれぞれ2段階上がり上位圏だった。

 経済改革研究所は、「韓国は連続で9位を記録したが、評価点数は(2018年の46点より)上がり、上位圏の国々との格差を狭めたという点で肯定的であり、韓国のコーポレートガバナンスの環境に改善があったと評価した」と伝えた。

 こうした肯定的な兆候にもかかわらず、改革を続ける政治的意志が足りず、自ら速度を緩める可能性があるという点がリスク要因に挙げられた。特に、2022年の大統領選挙を控え、文在寅(ムン・ジェイン)政権が過去2年間概ね維持してきた改革の推進動力が失われるだろうとの懸念が強く提起された。具体的な事例として、複数議決権株式を導入する試みが挙げられ、企業のガバナンスに長期的にきわめて否定的な影響を及ぼす恐れがある事案として指摘されたと経済改革研究所は明らかにした。

キム・ヨンベ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/997344.html韓国語原文入力:2021-05-31 14:06
訳J.S

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