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三星の前に消えた‘MBの法と原則’

登録:2009-12-30 08:48

原文入力:2009-12-29午後08:23:29
イ・ゴンヒだけのための赦免
飴賽銭業務報告 “指導層から不正 清算”
示威・ストライキ・龍山惨事などには苛酷な定規
世宗市に三星グループ誘致‘ビッグディール ’推測も

ファン・ジュンボム記者

←‘特典’与えた…イ・ミョンバク大統領が29日午前大統領府で開かれた閣僚会議で議事棒をたたいている。 この席でイ・ゴンヒ前三星グループ会長に対する特別赦免案が議決された。 大統領府カメラマン団‘  特典’受けた…イ・ゴンヒ前三星グループ会長が去る8月14日ソウル,瑞草洞,ソウル高等法院で開かれたサムソンSDS新株引受権付き社債(BW)安値発行事件裁判で有罪を宣告された後、帰っている(写真右側). キム・ミョンジン記者littleprince@hani.co.kr

論難が起きていたイ・ゴンヒ前三星グループ会長赦免問題は、前例が珍しい‘年末単独赦免’という奇形的な形で29日その実体を表わした。イ・ミョンバク大統領は有罪が確定し4ヶ月しか経っていないイ前会長に特別赦免・復権を施してあげることにより、口癖のように叫んできた‘法と原則’が金があり権力のある人には鈍く、庶民・労働者にだけは厳格な‘公権力便宜主義’の別名に過ぎないことを立証した。

イ大統領は去る23日法務部・国民権益委・法制処業務報告の時には強い語調で法と原則を強調した。イ大統領は「国民には法を守れといって、上で犯罪が行われれば国民がどのように見るか」と話した。イ大統領は法と原則を‘国の品格’と結びつけ「指導層から公職者,高位職,指導者級の不正をなくすことが大変重要だ」とまで話した。

そうして置きながらイ大統領はわずか6日ぶりに「平昌冬季オリンピック誘致のために国家的観点で決心した」としてイ前会長赦免案を閣僚会議で議決した。 大統領府は「国益を考慮して永らく苦悩したあげく下した決定」と明らかにした。「イ大統領は現政権任期中に発生した不正と非理に対しては公職者・企業家を問わず断固として対応するという意志を明らかにした経緯があり、これは今でも変わりない」という説明もした。市民の集会や労働者のストライキ,龍山惨事などに対しては苛酷に突きつけた‘法と原則’の定規は影も形もない。

公式的な説明とは異なり、イ前会長の年末赦免方針はかなり以前に決まっていたと大統領府核心関係者が伝えた。後暴風を最小化しようとする目的で保安を維持し赦免の雰囲気が熟するのを見守ってきたわけだ。最近1~2週間、イ大統領が言及した指導層の不法と土着不正の清算意志はそのために一層二重的でむなしく聞こえる。

大統領府はイ前会長1人だけを赦免する方案と別の経済人らを含む方案を悩んだが、数人を赦免する場合‘赦免権乱発’批判が出ることを憂慮したという。結局、大統領府は‘平昌冬季オリンピック誘致に対する国民的念願’という包装紙をかぶせイ前会長単独赦免に決めた。

大統領府の中にもイ前会長赦免に反対する意見も少数だがあった。それでもイ大統領がこれを強行したのは、最近主要20ヶ国(G20)首脳会議誘致,アラブ首長国連邦(UAE)原子力発電所受注,経済回復の兆しとこれにともなう支持度上昇と自信のためだと見られる。赦免断行時点も原子力発電所受注でイ大統領に対する好感度が上がる時点であり、新年連休直前の年末に選んだ。

一方ではイ前会長赦免の本当の理由は世宗市修正と関連するという分析も出てきている。参加連帯はこの日論評を出し「三星グループが未来に備える新事業として構想している生命工学分野を世宗市で始めるようにするために赦免復権という恩典を施したものと見る」とし「今回の赦免はイ大統領とイ前会長間の‘ビッグディール赦免’であるわけ」と批判した。

政府関係者は「三星グループの一部の世宗市移転はイ前会長赦免とは関係がない」として線を引いた。大統領府民政首席室関係者は「来年には6月の地方選挙もあり上半期までは赦免がないだろう」と話した。

大統領府がどんな名分を掲げようがイ大統領が‘財閥権力1人のための標的赦免’を断行した最初の大統領として記録されるという点は明らかに見える。‘有銭無罪,無銭有罪 政権’という市中の批判も甘受しなければならないようだ。

ファン・ジュンボム記者jaybee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/396082.html 訳J.S