人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、ロボットなどの未来新技術が拡散するほど人々の働き口は減り、「労働の終わり」が現実化すると展望する識者は多い。では、雇用の中でも最近の若者たちが最も好む公務員の業務は、どれほど消えることになるのだろうか。
行政安全部はこうした疑問を解くため、延世大学産学協力団に研究を委託し、産学協力団は昨年9月に『未来新技術導入に伴う政府人材運用方策』と題する研究報告書を提出した。6日にパク・チェホ議員室(共に民主党)から入手した同報告書によると、未来新技術導入による自動化で、中央省庁の公務員の4分の1を削減しうることが分かった。
行政安全部などの18省庁の本部人員1万2114人(昨年現在)のうち、24.82%に当たる3006人が未来技術に代替されうるが、省庁別では行政安全部(286人)が最も多く、外交部(263人)、企画財政部(255人)がそれに次いだ。割合では、外交部の人材代替率が38.18%で最も大きかった。法務部(37.36%)、統一部(31.19%)、文化体育観光部(30.97%)が続いた。
研究チームは「外交部は通訳、翻訳などの公務職が多いため、人材代替率が高くなったと考えられる」と分析した。人材代替率が最も低い省庁は中小ベンチャー企業部(18.34%)だった。
業務別に見ると庶務、請願業務で539.8人が未来新技術で代替しうると分析され最も多く、会計(507.4人)、組織内の行政運営(444.2人)がそれに続いた。政策や制度の企画管理(4.8人)、法律改正管理(24.5人)などは相対的に技術で代替しうる人数が少なかった。
職級別に見ると6級と7級、契約職の代替率が高く、企画管理機能を主に担う4級と5級の代替率は低かった。代替可能時期を見ると、執行・運用機能を担う人材の75%が5年以内に新技術によって自動化される一方、企画管理機能は62.5%が21~30年後に代替しうると分析された。
同研究チームは行政安全部に対し、「短期的には代替人材を定量的に予測し、人材の再配置を考慮するとともに、失業者に対する制度的セーフティネットを拡充する必要がある。長期的には再就職のための雇用プラットフォームの構築、社会的対立の仲裁に対する努力とともに、公務員の専門性の強化が必要」と提言した。研究チームはまた、「未来技術による政府人材代替は人材総量の減少を意味するものではない」とし、「新技術に代替される人材とともに、公共情報通信技術(ICT)の維持や個人情報保護などの、新たに追加すべき政府人材も同時に考慮しなければならない」と付け加えた。