北朝鮮が軍事挑発まで示唆し、南北間の緊張が高まる中、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が6・15南北共同宣言20周年を迎え、どのようなメッセージを発するかが注目される。
大統領府の高官は、15日に文大統領が6・15南北共同宣言20周年を迎え、公式メッセージを出す予定であることを明らかにした。これまで大統領府は、北朝鮮の激しい非難発言に対しても公式の反応を自制してきた。今月4日の「キム・ヨジョン談話」を通じた対北朝鮮ビラ問題に対する非難をはじめ、チャン・グムチョル朝鮮労働党中央委統一戦線部長が12日夜に「南朝鮮当局に対する信頼は粉々になった」と述べた際も、「特に立場を示さない」と語っている。キム・ヨジョン第1副部長が軍事的行動すら言及すると国家安全保障会議常任委員会を開いたが、会議の内容は徹底して非公開とした。大統領府関係者は「北朝鮮をこれ以上刺激しないために、言葉を慎むのが最善」と雰囲気を伝えた。
それだけに、文大統領が北朝鮮に向けて発する「公式」メッセージには注目が集まらざるを得ない。文大統領が6・15南北共同宣言に関する記念演説を自ら行ったのは、就任初年度の2017年だ。その時も、北朝鮮が核実験やミサイル発射などの挑発を行い、南北関係は最悪の状況だった。文大統領は記念演説の中で、「最近、北朝鮮が6・15共同宣言の尊重と履行を求めているが、核とミサイルの高度化により、言行が不一致なのは北朝鮮」と述べ、断固たる立場を示した。
しかし、今回は北朝鮮が物理力を行使していない状況であり、北朝鮮に対して強硬なメッセージは発しないものとみられる。さらに、経済制裁の緩和など、南北間の合意がまともに履行されていないことに対する北朝鮮の不満が募っているだけに、南北合意の原則を守るという従来の立場を強調するだろうという観測が出ている。