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‘ドバイ雷管’世界経済 ダブルディップ 点火するか

登録:2009-11-28 00:24

原文入力:2009-11-27午後08:23:22
金融バブル経済の象徴…中東・ヨーロッパ 最大打撃
海外不動産 安値売却すれば資産市場 一波万波
一部専門家たち "サウジなどが支援すれば波紋縮小"

チョン・ウイギル記者

←ドバイ金融危機

‘ドバイワールド事態’が金融危機のトンネルを開き世界経済を再び試練に晒している。
26日と27日、ヨーロッパとアジア証券市場の急落に対しひとまず金融市場関係者たちの間では‘過敏反応する必要はない’という指摘が多い。ドバイの借金規模は800億ドルであり、その規模が大きくない上に安全弁が多いということがその根拠だ。ドバイのモラトリアム事態が近隣国家に拡散する可能性は低く、アラブ首長国連邦の首長国であるアブダビをはじめ、サウジアラビアなどがドバイが事実上国家不渡り状態のデフォルトまで駆け上がるのをただ見守ってばかりはいられないだろうという分析も出ている。

<ロイター>通信は経済分析家らの話を引用し、ドバイは外債に基づき成長したが、アブダビなど近隣諸国は堅固な石油輸出国家という点を挙げ、ドバイ事態が地域全体に拡散する可能性は低いと伝えた。通信はシティ銀行の中東分析家ユセフ アパニを引用し「アラブ首長国連邦所属諸国とサウジアラビアからの一定水準の支援があるだろう」と展望した。収穫感謝祭の休暇により米国ウォール街銀行圏の被害がまだ明らかになっていないがドバイ負債に対する露出が少ないと評価されるのも一つの理由だ。

だが世界経済のダブルディップが憂慮される状況で勃発した今回の事態は、新たな雷管として作用しかねないという憂慮も侮れない。ドバイが金融危機を触発したバブル経済の象徴であることに加え、ドバイ自体が世界資産市場との関連度が高いためだ。

昨年9月のリーマンブラザーズの破産によりウォールストリート発金融危機が発生するやいなや、ドバイでは破産した外国人たちが自動車を捨てて逃げるなど深刻な危機を経験した。結局、今回の危機爆発はドバイ式の危機が現実化されうることを示したわけだ。外債を工面し不動産開発主導の成長を遂げたドバイのモラトリアム事態は、すでにヨーロッパで最も負債比率が高いギリシャとハンガリーに対する不安感を増幅させ、借金保証費用(CDSプレミアム)を急騰させている。

ドバイ自体が世界資産市場に侮りがたい影響を及ぼすだろうという指摘もある。ドバイ政府は海外に所有する不動産売却を通じ資金を調達する可能性が高いが、ドバイワールドの借金返済猶予交渉が順調でない場合、ドバイは不動産安値売却圧力に瀕することになる。この場合、金融危機の震源地である世界不動産市場にショックが予想される。

←不安な工事現場 26日ドバイ DPワールドのジュベルアリ空港近所の海岸の工事現場。ドバイ政府はドバイワールドと不動産開発会社ナキルの構造調整過程でDPワールドに影響はないと強調するが不安感は広がっている。ドバイ/ロイター連合ニュース

直ちにドバイワールドが最大株主であるDPワールドに対する憂慮も拡散している。世界49港湾を運営し32億5000万ドルの債権を発行したDPワールドが構造調整に入る場合、各国の港湾運営をはじめとする実物景気にも悪影響を与えかねない。ドバイ政府はDPワールドの借金は構造調整対象でないと線を引いた。だが<ロイター>通信は金融消息筋を引用し「DPワールドの資産は結局ドバイワールドの資産なので、債権者たちがそのままにして置かないだろう」と指摘した。

<ファイナンシャルタイムズ>はドバイの資産売却決定に先立ち、不動産投資家らが安値売却を予感していると報道した。ドバイワールドの投資子会社であるイスティスマルは一時世界不動産市場の最大手で、英国トラファルガー・スクエアのグランドビルディングを手始めにニューヨークのマンダリンオリエンタルホテルなど世界各地の象徴的不動産を買い入れた。

ドバイ事態は何よりも世界金融危機がまだ終わっておらず、同様な雷管が世界の随所に散在していることを示した。<ガーディアン>はドバイ事態が「新たな破局の最初のドミノになる恐れがある」と指摘した。

チョン・ウイギル選任記者Egil@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/390224.html 訳J.S