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“大統領府-検察の軋轢”総選挙の悪材料となるかも…民主党の心痛

登録:2020-01-23 20:28 修正:2020-01-24 07:13
ソウル瑞草洞の最高検察庁庁舎前の検察の旗=カン・ジェフン先任記者//ハンギョレ新聞社

 検察の同時多発的な捜査をめぐり、大統領府と検察間の緊張が続き、共に民主党の苦悩が深まっている。総選挙に否定的影響を及ぼさざるをえないが、今後相次ぐ起訴と裁判で短期間に整理されうる事案でないことが悩ましい。民主党は、検察人事と大統領府捜査に関連した軋轢が最近の世論調査に現れた支持率小幅下落に影響を及ぼしたと分析している。

 23日にも大統領府は検察人事で捜査に責任を問い、検察はこれに対抗してチェ・カンウク大統領府公職規律秘書官を起訴するなど、あたかも大統領府と検察が打ち合うような状況が演出された。「終わりそうで終わらない」軋轢が続いているわけだ。前日にもチェ秘書官は「チョ・グク前長官に対する捜査結果があまりにつまらないものだったので(新たな)疑惑を作り出している」と激しい表現を使って検察を非難した。

 間に挟まった民主党は、「検察の捜査に無理がある」と反発しているものの、内心は総選挙に及ぼす影響により神経を尖らせていると見られる。継続している“大統領府ー検察の軋轢」が、総選挙で領域を拡張しなければならない中道層に良くない影響を与えかねないと見ているためだ。民主党のある戦略通の議員は「総選挙のリスク要因になりうる。軋轢それ自体が負担になりかねず、大統領府に対する検察の捜査が続いているため、捜査を通じて新たな事実があらわれれば圧迫になる」と見通した。また、別の与党関係者も「検察が無理な捜査をしていることは事実だが、私たちも与党なのに軋轢の管理がうまくできていない。表立たないように軋轢を収拾する方式で進むべきなのに、かえって正面から争う姿を見せている」と指摘した。検察が大統領府に対する捜査を通じて総選挙に影響を及ぼしていると声を高めようとしても、すでに「大統領府に対する捜査を阻もうとしている」というフレームが形成される状況を憂慮しているわけだ。

 大統領府がこの日断行された検察中間幹部級の人事に対して言葉を控えたのも、こうした点を考慮した結果と見られる。大統領府は、大統領府およびチョ・グク前法務部長官に関連する捜査を指揮した次長検事を全面交替した人事に関して「提案権は法務部長官に、人事権は大統領にある」という原則的な立場だけを明らかにした。“大統領府捜査の遮断用”という保守勢力の反発に生半可に対応すれば、さらに世論が悪化することもありうるためだ。韓国リサーチのチョン・ハンウル世論分析専門委員は「大統領府と検察の軋轢イシューは、政府・与党にとってはマイナスに働く。まず経済が1順位ではないとのメッセージを与え、チョ・グク前長官イシューを再び呼び覚ます効果がある。チョ前長官または大統領府に対する捜査を妨害している姿に映れば、政府・与党にはマイナスにしかならない」と明らかにした。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/925606.html韓国語原文入力:2020-01-23 19:04
訳J.S