京畿道城南(ソンナム)市長在職時代に、公務員を動員し自身の実兄を精神病院に強制入院させようとした容疑(職権乱用)などで裁判に付されたイ・ジェミョン京畿道知事が、1審で無罪を宣告された。
水原(スウォン)地裁城南支所第1刑事部(裁判長チェ・チャンフン)は、16日に開かれた宣告公判でイ知事のすべての容疑に対し無罪を宣告した。イ知事は、いわゆる“実兄強制入院”事件と関連して、職権乱用とともに検事詐称前歴否認など3件の公職選挙法違反(虚偽事実流布)の容疑を受けていた。
裁判所はまず「実兄強制入院」について、イ知事の正当な業務であったとし、職権乱用容疑に対して罪がないと見た。裁判所は判決文で「イ知事の実兄に対する強制入院の試みは、当時の精神保健法による公益のための合法的手続きなので、違法・不当とは見られない」と明らかにした。盆唐区(ブンダング)大壮洞(テジャンドン)の開発業績を膨らませた容疑や検事を詐称した前歴を否認した容疑などに対しても、裁判所は「多少誇張された表現はあるが、市民や有権者を幻惑させるためのものとは見がたい」と判断した。
水原地検城南支庁は昨年12月11日、イ知事を4つの容疑で裁判に付した。昨年の6・13地方選挙の過程で、盆唐大壮洞開発に関連し業績を誇張し▽2002年、市民運動をしながら検事を詐称した前歴があるにもかかわらずこれを否認したという公職選挙法(虚偽事実流布)違反容疑▽2012年、城南市長の職位を利用し自身の実兄の故イ・ジェソン氏を精神疾患者に追い立て強制入院させようとした容疑(職権乱用権利行使妨害)がそれだ。ここに、京畿道知事候補討論会でこうした強制入院の試みの事実を否定した疑惑(虚偽事実流布)も適用した。
検察は直ちに控訴の意向を明らかにした。検察関係者は宣告直後「常識的に無罪判決が理解できない」とし、「控訴を積極的に検討する」と話した。
イ・ジェミョン知事はこの日、法廷を出て「司法府が人権と民主主義の最後の砦であることを確認した裁判所に深い感謝と尊敬を表する」とし、「信じて待っていて下さった道民に道政で報いる」と話した。