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KT、国会議員の親戚や次官級人物の娘も優遇採用

登録:2019-03-27 09:49 修正:2019-03-27 10:26
ソウル光化門のKT社屋の様子と、拘束令状が請求されたソ・ユヨル元KTホーム顧客部門総括社長=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 自由韓国党のキム・ソンテ議員の娘のKT優遇採用疑惑を捜査中の検察が、元国会議員や次官級人物の親戚も優遇採用された情況をつかみ、捜査を拡大している。検察はまた、元KT人材開発室長のK氏(逮捕)にキム議員の娘の履歴書を渡し優遇採用を指示した疑いで、ソ・ユヨル元KTホーム顧客部門総括社長の拘束令状を請求した。

明かされる優遇採用疑惑の当事者たち

26日、ハンギョレが検察や複数のKT関係者らを取材した内容を総合すると、ソウル南部地検刑事6部(部長キム・ヨンイル)は、キム・ソンテ議員の娘を含め少なくとも7人が書類選考と面接で不合格になったにもかかわらず、最終合格してKTに在職している事実を確認した。

 この中には、旧与党セヌリ党の元国会議員H氏の親戚や、経済省庁の1級公務員出身で次官級待遇を受ける民間委員会事務総長を務めたJ氏の娘などの名まえが挙がっているという。H氏の親戚は書類選考から全過程で不合格だったが最終合格し、現在、首都圏のある顧客本部で勤務しているという。J氏の娘は1次面接で不合格だったが、残りの選考を引き続き受ける資格を得て、結局最終合格したという。J氏は現在、地方の私立大学に在職中だ。

 検察は1月、京畿道城南市(ソンナムシ)のKT本社地下5階を強制捜索し、優遇採用と関連した資料を確保したという。ハンギョレが確認した結果、当資料には合格者の名前と有力者との関係、書類選考から最終選考まで合格の可否が書かれていた。KTの関係者は「元議員のH氏の親戚やJ氏の娘が検察の捜査対象に上がったのは事実だ」とし、「合格者と有力者の間の関係、誰のコネを通じて入社したのかなどが記録されたKT内部資料を検察が確保したものと聞いている」と話した。

 当事者らは容疑を否定している。元国会議員のH氏の親戚であるKT社員は、この日ハンギョレとの電話で「検察の捜査対象に挙がっていない」と話した。J氏はハンギョレの釈明要請に「今の職分を忠実に果たす」という回答を伝えてきた。

 このほか、KT系列会社の社長出身の人物の子どもなども優遇採用の疑惑対象者リストに名前が挙がったという。KTのある幹部役員は「(2013年初めに)優遇採用された新入社員のうち、某グループで迎え入れられ2009年頃から系列会社の社長を務めたK氏の娘が含まれているという噂が広まっている」と話した。K氏の子どもは書類選考では不合格だったが、その後、人格・適性検査と面接等では合格評価を受けたという。

 検察のキム・ソンテ議員の娘の優遇採用の捜査は“9部稜線”を超えたものとみられる。検察は、キム議員の娘が書類選考すら受けなかったにもかかわらず、人格・適性検査を経て1次・2次面接を通過し、最終合格した事実を確認したという。キム議員の娘は2013年1月に正社員に入社する前、2011年に比較的敷居の低い契約職で入社したが、この過程での外圧行使などは公訴時効が過ぎ、検察の捜査線上からは外された。

上部・背後、どこまで明らかになるか

25日に拘束令状が請求されたソ・ユヨル元社長は、K元人材開発室長(専務)にキム・ソンテ議員の娘などが含まれた名簿を渡し、合格させようとした疑い(業務妨害など)を受けている。イ・ソクチェ会長時代、KTの“事実上ナンバーツー”と言われたソ元社長は、2010~2014年にKTホーム顧客・カスタマー部門社長を務めた。また、キム・ソンテ議員の娘が入社した2012年下半期の新入社員採用の時、人事業務を総括した。

 検察が、すでに拘束されたK元室長の背後にソ元社長を特定しただけに、次の関心はソ元社長とキム・ソンテ議員をつないだ人物が誰なのかに注がれる。KT労組で勤めていたある関係者は、「KT労組委員長を務めたJ氏が、キム議員とソ元社長をつないだ窓口」だと証言している。

 元国会議員の親戚と高位公職者出身の子どもなどが優遇採用された経路と背景も検察の捜査を通じて究明されるものとみられる。これと関連し、当時KTでソ元社長の“唯一の”上役だったイ・ソクチェ元会長にまで捜査が広がるかに関心が注がれる。2008年、李明博(イ・ミョンバク)政権に入り検察がナム・ジュンス社長を強制的に退陣させた後、KT会長に就任したイ元会長は、「政治的外圧」に対応し自分の経営権を強化するために出身を問わず数多くの顧問などを迎え入れた。いわゆる「天下り会長」として職員の採用など外部の請託に弱くならざるをえない立場だった。

 KT側は意外に落ち着いた雰囲気だ。同社のある役員は「現在(優遇採用の捜査と関連した)内部の雰囲気は、検察の捜査が進められるのを見守るしかないというものだ。元会長時代のことなので大きな負担はなく、むしろホン・ムンジョン議員の側近らの迎え入れなど、ファン・チャンギュ会長時代の『天下り』がどのように処理されるかに神経を尖らせている雰囲気」だと話した。

イ・ユジン、ソン・ダムン、キム・ワン、キム・テギュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/887538.html韓国語原文入力:2019-03-27 07:10
訳M.C