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ラオスで韓国企業が建設に参画したダム決壊…数百人が行方不明

登録:2018-07-25 09:26 修正:2018-07-25 10:59
前日夜、セピエン‐セナムノイダム決壊で洪水が襲った下流の村の住民が今月24日、屋根の上で救助を待っている/EPA、聯合ニュース

 韓国企業が建設に参画したラオスのセピエン‐セナムノイダムが23日(現地時間)決壊し、下流の村を水が襲い少なくとも数百人が行方不明になったと現地のメディアが24日報道した。

 「ラオス通信」は南東部のアッタプー県にあるセピエン‐セナムノイ水力発電ダムの補助ダムが前日の夜8時頃決壊し、50億立方メートルの水が近くの6つの村にあふれたと報じた。突然の洪水で多数の住民が死亡、数百人が行方不明となっており、6600人の被災者が発生したという。ラオス当局は、軍人と警察、消防隊員などを総動員し、救助と捜索作業を行っている。「ABCラオス」は水位が引き続き高くなり、ボートを利用して住民が避難していると伝えた。航空写真を見ると、村中が泥水に浸かり、屋根だけがかろうじて見えるところもあり、住民たちが屋根の上に孤立し救助を待っている姿も見られる。

今月24日、泥水に浸かったダム下流の村の家々の屋根だけが見える/AFP、聯合ニュース

 外信は700メートルの長さの補助ダムが決壊したと伝えた。補助ダムは本ダムが放流した水の圧力を減らす役割をする。ダムの決壊であふれた水の量は、五輪規格プール200万個分にあたるほど多い。現地に数日間降った豪雨や手抜き工事が原因である可能性があるという推測が出ている。

 410メガワット容量のこのダムは、メコン川の支流であるセナムノイ川にあり、2013年2月から韓国企業SK建設と韓国西部発電がラオス国営企業と合弁法人を設立して建設に入った。2019年に商業運転に入る予定だった。10億2000万ドル(約1135億円)が投入されており、韓国企業がラオスで遂行した初めての収益型民間投資事業(BOT)だ。

 SK建設の関係者は「下流の住民たちに避難命令が下された状態で、ダム決壊で人命被害が発生したものとみられる」とし、正確な被害状況を把握していると話した。また、現地とソウル本社に非常対策委員会を構成し、アン・ジェヒョン社長が現地に出発したと明らかにした。

セピエン-セナムノイ水力発電所の全景=セピエン-セナムノイ公式ホームページのキャプチャー

 この数年間、現地の環境団体はセピエン‐セナムノイ水力発電計画が反環境的、反人権的だという理由で憂慮を示していたという。2013年、企画財政部国政監査では、有償援助(EDCF)の一つである同事業が環境影響評価をきちんと受けていないという指摘が出ている。

 最貧国に分類されるラオスは、メコン川とメコン川支流が流れる利点を利用し、電気を輸出の主力商品に選定した。援助を受けてダムを建設し電気を作り、近くのタイなどに販売する方式だ。ラオス政府は「アジアのバッテリー」になるという抱負を明らかにしてきた。ラオス全域には39カ所の水力発電所があり、53カ所以上の発電所が建設中または建設計画が用意された状態だ。ラオスは水力発電で得た電気の3分の2を輸出しており、これはラオスの輸出全体額の約30%を占める。

 ラオスのトーンルン・シースリット首相は24日、被害地域であるサナムサイを訪問した。地域当局は政府に、被災者らのための服や食べもの、飲み水や医薬品など救援物資を提供してほしいと要請した。

キム・ミナ記者mina@hani.co.kr(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/854704.html韓国語原文入力:2018-07-24 21:08
訳M.C