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15万人 一日労働1時間減らせば働き口2万ヶ増える

登録:2009-01-09 13:08

原文入力:2009-01-09午前12:32:24
金属労組 ‘ワークシェアリング’宣言
‘8時間+8時間’ 2交代方式…非正規職保障抜け落ち
実質賃金 下落憂慮…政府・企業支援拡大が必要

ファン・イェラン記者シン・ソヨン記者

←チョン・カプドゥク全国金属労働組合委員長(右側2番目)が8日午前ソウル,永登浦区の労組事務室で‘経済危機克服のための金属労組社会宣言’を発表している。 シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr

全国金属労働組合が8日「労働時間短縮を通じて働き口を作ろう」と提案したことは、最近社会的話題に浮上している‘ワークシェアリング’議論に国内最大の産別労組が積極的に出たという意味がある。景気低迷の溝が深まりながら、人材縮小の代わりに賃金凍結や交代制改編などで働き口を守ろうという雰囲気は広がる傾向だ。だが今回の宣言には非正規職雇用保障のための正規職の‘譲歩’等、具体的な内容が抜け落ちているうえに、政府と使用者団体も「苦痛分担の真正性が疑われる」という態度なので現実性に劣るという指摘が出る。

金属労組はこの日「働き口作りでただ一人の労働者解雇もあってはならない」と主張した。具体的な方式は8時間+8時間方式の週間連続2交代制の施行と労働時間短縮だ。組合員15万人の金属労組で労働時間を一日1時間だけ減らしても7~8時間の働き口を2万ヶほど新しく作ることができるということだ。残業・特別勤務を制限し年2200時間以下に労働時間を減らす‘労働時間上限制’導入の主張も出ている。

問題は‘賃金’だ。基本給が全体賃金の40%程度で、残業・特別勤務手当てで賃金を満たしている製造業者の特性上、労働時間短縮は‘実質賃金下落’に直結せざるを得ない。金属労組は賃金凍結を明示してはいないが、事実上‘苦痛分担’を覚悟したと見える理由だ。だが現代自動車など金属労組傘下支部らがこれを甘受するかは疑問だ。イ・ジョンヒ金属労組政策室長は「すでに減産のために労働者らの基本生活保障もままならない状況」としながら「残業・特別勤務手当てまで保障しろというのではないが、政府や大企業が支援を拡大しなければならない」と話した。金属労組内部では労働時間短縮にともなう実質賃金損失分を労・使・政が共同負担することを提案する方案が議論されたがこの日の発表では触れられなかった。

経済危機克服のための金属労組5大要求案

政府と経営界が金属労組の対話提案を受け入れる可能性は低く見える。ファン・インチョル経済人総連経済調査本部長は「賃金削減などもう少し苦痛分担を約束してこそ対話に応じることができる」として「譲歩なしで企業だけ‘非常食料’として備蓄しておいた利益余剰金を出せというのは無理」と話した。労使政府委員会が推進するという働き口関連の労使政大妥協も‘賃金凍結と雇用保障を等価交換をしよう’という内容が骨組みだ。

政府や使用者団体も‘ワークシェアリング’に積極的ではない。労働部は単位事業場労使に‘譲歩交渉’を促すだけ、社会的大妥協には重きを置かずにいる。キム・ソンヒ韓国非正規労働センター所長は「労働界が仕事場を分けることに積極的に出られない理由は、政府が労働者にだけ犠牲を強要していて一方的な賃金譲歩論に帰結することが予想されるため」と指摘した。労使政が額を突き合わせようとするなら信頼がなければならないが、イ・ミョンバク政府が整理解雇要件緩和を推進するというなど使用者にばかり肩入れすることに偏っているのが問題というものだ。

金属労組が‘非正規職雇用保障方案’さえ出さなかった点は限界ともいえる。年末成果給1%を放棄して非正規職や解雇者などの雇用安定基金として使おうという方案などを議論したが確定できなかった。チョ・ソンジェ韓国労働研究院博士は「正規職が非正規職のために連帯して犠牲になる姿を見せながら仕事場を分ける新しい議論の枠組みを作ることができる機会だったが惜しい」と話した。

ファン・イェラン記者 yrcomm@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/332154.html

原文: 訳J.S