原文入力:2009-01-05午後02:01:36
未登録移住労働者たち,強制出国されるか戦々恐々
法保護受けられない規定のせい…こそ泥・犯罪まで増え
ファン・チュンファ記者ノ・ヒョンウン記者
←‘移住労働者差別撤廃と人権・労働権実現のための共同行動’ 所属移住労働者たちが先月18日ソウル,世宗路,政府中央庁舎前で記者会見を行い「野蛮な移住労働者取り締まりを中断せよ」と要求している。 キム・ミョンジン記者
新年初日午後、ソウル,九老3洞のあるサウナで中国同胞シン・某(46)氏が冷たくなった死体で発見された。医師を夢見て中国で医科大学に通う娘と、夫と共に中国に帰って仲睦まじい家庭を設けるのが願いだった妻を残したままであった。
死亡原因は狭心症による心筋梗塞だった。だがシン氏とシン氏の家族を‘絶望’に押しやった事件は3年前に遡る。シン氏は1997年他の人々と同じように‘コリアンドリーム’を夢見て韓国にきて、10年間浴場とサウナで‘アカすり’の仕事をした。故郷に生活費を送っても1ヶ月に70余万ウォンずつきちんと貯蓄して貯めたお金が8千万ウォンにもなった。もう少し仕事をすれば、まもなく大学に入る娘の学費も払えて中国で基礎を作って暮らせそうだった。
だがこうしたシン氏の夢は一日で砕け散った。3年前「大きい浴場を作る計画だが投資をすれば‘アカすり’事業権を保障する」という知人の勧誘にその間集めた8千万ウォンを渡したのが間違いだった。彼が持ち逃げした事実を知った後にも警察に助けを要請することもできなかった。警察署に入った瞬間、‘不法滞留者’であるシン氏が強制出国に遭うのは火を見るより明らかだった。仕事を辞めて彼を探すために街をさまよい、妻は娘の学費準備のために韓国にきて働いた。この時に受けた衝撃と長い間の路上生活でシン氏は狭心症になった。彼の兄(57)は「警察の助けさえ受けることができたらこのように虚しく亡くなることはなかった」と言って涙を流した。
シン氏が詐欺にあっても警察の助けを受けることが出来なかった理由は出入国管理法の規定のためだ。出入国管理法84条は未登録移住労働者を認知したすべての公務員に出入国事務所にすぐ通知するよう規定している。未登録移住労働者らはいくらくやしいことに遭っても法の保護を受けることができないわけだ。慶南外国人労働者相談所の関係者は「最近ではこのような事情がたくさん知られ移住労働者たちが暮らす集団居住地にこそ泥と犯罪が増加している」として「強制出国が恐ろしくて戦々恐々とする彼らを2次被害に追いやっている」と語った。
移住労働人権団体などでは、人権侵害に対する救済手続きが進行中の場合、通知義務を猶予する方案を粘り強く要求しているが、政府方針は反対に向かっている。未登録移住労働者が賃金未払いなどの権利侵害にあった場合、先に救済措置をし解決後に出入国事務所に通知する労働部指針が昨年6月に廃止された。この間、移住労働者への賃金未払いは倍増した。2007年8月の未払い額は1639人48億ウォン余り、2008年8月3877人,95億ウォン余りと各々2倍近く増えた。 これに対し国家人権委員会は昨年12月18日「出入国管理法に規定された公務員の通知義務条項のために犯罪行為,人権侵害行為にあった未登録移住労働者の権利救済が難しい」として‘先救済・後通知’原則を出入国管理法に明示するなど通知義務制度を改善することを法務部長官に勧告した。
イヨン外国人移住労働運動協議会事務局長は「実際、未登録移住労働者の場合、内国人から身体的・物質的な被害にあっても申告さえできない実情」としながら「最小限の法的権利救済手段を保障するのは当然の人権的要請」と語った。
ファン・チュンファ,ノ・ヒョンウン記者 sflower@hani.co.kr