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ウサギ追い式 鎮圧…‘火薬庫’に閉じ込められた双龍車労組

登録:2009-08-06 10:01

原文入力:2009-08-06午前12:24:34
警察,塗装工場を完全包囲…引火物質20万リットル
負傷 100人余りなど恐慌状態…これ以上 圧迫すれば災難起きるかも

イ・ワン記者,ホ・ジェヒョン記者,クォン・オソン記者

←5日午前、京畿道,平沢市,七槐洞の双龍自動車組立3・4工場屋上に投入された警察特攻隊が、塗装工場側に逃げる労組員を追っている。この過程で警察特攻隊は捕まった労組員らをこん棒と盾でむやみに殴り足蹴りすることもした。また警察を避け逃げた労組員が墜落するなど労組員3人が重傷を負った。 平沢/‘労働と世界’提供

500人余りの双龍自動車労組員らが全て塗装2工場に押し寄せた。もう労組員らには‘玉砕闘争’と‘自主解散’という二つの選択しか残っていない。引火物質が詰まっている塗装2工場が双龍車労使にどんな場所として記録されるかは今後の数日にかかっていると見られる。会社側は4日労組側に秘密裏に対話を要請したが、警察は翌日の5日明け方から鎮圧に出た。

この日明け方、警察は京畿道,平沢市,双龍車工場で篭城中の労組員らに対する‘ウサギ追い'式の強制解散作戦を始めた。午前中に組立3・4工場,塗装1工場と食堂,組合事務室がある福祉棟まで順にヘリコプターとクレーン,コンテナまで動員した警察の手に落ちた。労組員らは全て塗装2工場内部に追われて入り、今やそこだけが労組員らに掌握されている。

この日労組員らが追いこまれた塗装2工場は地上4階,地下1階のコンクリート建物だ。普段はチェアマン・レクストンなどの塗装作業を行う所で、シンナー3万3千リットルなど計20万余リットルの引火性物質が積まれていると推定される。万一小さな火種一つでもこちらに移れば火災ではなく大型爆発につながりかねない。

また塗装2工場は警察が進入を躊躇する程に複雑な構造になっている。工場に勤めた人でなければ迷路のような複雑な道に沿って抜け出すことすら大変だと、こちらで働いていた労働者らは話した。ガスと水に続き、去る2日には電気まで切れ、労組員たちは‘危険千万にも’ロウソクのあかりで内部を明るくしている。この日警察の進入過程で負傷し平沢メディウェル病院に運ばれたチェ・某氏は「現在塗装工場は暗黒」と伝えた。出入り口7ヶ所も警察の鎮圧に備えて1ヶ所を除いては溶接で塞いだ。

この塗装工場内にいる人々はまともに食べることもできず、戦いに疲れやけくそになっている。この日朝負傷して病院に運ばれたソ・某(35)氏は「最近ではにぎり飯の量まで減り一食に1ヶを二人が分けている状況」と話した。暑い天候で密閉された工場の室内温度も極度に上がり労組員たちの神経はより一層逆立っている。塗装工場内のある組合員は「中がとても熱い。労組員たちは皆孤立無援の気持ちだ」と話した。工場内には警察および会社側用役職員との衝突過程で負傷した100人余りのケガ人がいると労組幹部は伝えた。

警察の強制鎮圧にともなう大型人命事故の憂慮はますます大きくなっている。崖っぷちに追い詰められた組合員たちがどんな選択をするのか分からないためだ。塗装工場から先に抜け出したユ・某(54)氏は「組合員たちが誰かが刺激しただけでも理性を失い怒りだす程に精神状態が疲弊している」と話した。この日午後にも組合員たちは工場屋上に集まり集会を開き、‘決死闘争’を確認した。ハン・サンギュン双龍車支部長は「会社側が昨日対話をしようと言っておきながら欺瞞的にも今日は暴力的な鎮圧をした」と話した。塗装工場内の別の組合員は「とても大変だが死に物狂いで持ちこたえる」と話した。

警察はこの日午後、ひとまず鎮圧作戦を中断した。労使全てが最悪の破局を防ぐ短い時間を設けることになった。しかし果たして労使がその時間に共生の知恵を探せるかはまだ分からない。 平沢/イ・ワン,ホ・ジェヒョン,クォン・オソン記者wani@hani.co.kr写真<労働と世界>提供

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/369653.html 訳J.S