野党「国会批准受ければ、政権代わってもそのまま維持される」
与党「在韓米軍への土地供与はその都度国会審議の対象になるわけではない」
キム・ジョンデ議員、カーター米国防長官が1980年代に書いた報告書を公開
「赤外線シーカーは標的を識別できない」
5日に開かれた国防部に対する国会国防委員会の国政監査で、野党議員らは最近高高度防衛ミサイル(THAAD)配備地域に決定された慶尚北道星州(ソンジュ)ロッテゴルフ場の取得と関連し、国会の同意を得ることを口を揃えて要求した。ゴルフ場の購入に国家財政が使われるだけに、国会の審議を受けなければならないというこどだ。
共に民主党のイ・チョルヒ議員は同日、国会で開かれた国政監査で、ロッテゴルフ場と国防部所有の土地を交換する代替地方式と関連し、「代替地であれ、他のものであれ、在韓米軍に与えるためのものは、財政的な負担になる。国会の批准同意を受けていれば、次期大統領選挙以降、いかなる政権が発足してもそのまま維持される」とし、国会の同意を得ることを求めた。同党のイ・ジョンゴル議員は「代替地方式は購入など他の方法でうまく行かなかった場合、最後に検討すべきものであって、最初から代替地にしようとするのは手続きに反するもの」だとし、「国会で予算審議を受けてから購入する正式の手続きを踏まなければならない」と指摘した。同党のウ・サンホ議員も「1000億ウォン(約92億4千万円)もする土地を取得するのに、国会の予算審議もなく推し進める先例を残すのかを注視したい」と警告した。
一方、与党議員たちは、野党の国会審議の要求に否定的な国防部の態度を擁護した。セヌリ党のペク・スンジュ議員は「国防部が過去にも在韓米軍に土地を供与したことがあるが、その都度国会審議を受けたわけではない」と主張した。同党のイ・ジョンミョン議員は「THAAD反対勢力が最後まで反対しても、北朝鮮の核の脅威が明確になった以上、揺ぎ無く配備を進めてほしい」と述べた。
ハン・ミング国防部長官は、これについて「ゴルフ場をどのような方法で取得するかは、まだ決まっていない。 関連法の手続きに則って所有者の利益を損なわないよう、慎重に検討する」と答弁した。
正義党のキム・ジョンデ議員はTHAADの迎撃能力そのものに疑問を呈した。キム議員は、英国オックスフォード大学で物理学博士号を取得したアシュトン・カーター米国防長官が1980年代に米国防総省の依頼で作成したという報告書を公開し、「当時カーター長官はTHAADミサイルに内蔵された『赤外線シーカーが原理的かつ物理的に標的を識別できない』と明らかにしている」として、国防部の見解を求めた。カーター長官は、報告書で赤外線シーカーの限界は物理学的な原理によるもので、技術開発などでは克服できないと主張した。これに対し、ハン・ミング長官は「確認してみる」と答弁した。