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[ニュースpickup]LPGハイブリッド自動車’は国内用?

登録:2009-07-17 16:27

原文入力:2009-07-16午後09:28:15
現代・起亜, 政府に支援され国内初の発売
LPG使う国 殆どなく輸出‘暗雲’
公式燃費 17.8km…“ガソリン価格基準38km”

キム・ジンチョル記者

←現代・起亜車のアバンテ(右側)とフォルテのハイブリッド モデルは‘ハイブリッド技術の商業化成功’という象徴性は評価されているが、一般車に使うことはできないLPGを活用したという点で‘変則’という指摘も受けている。 ハンギョレ資料写真

最近、自動車産業のキーワードは燃費だ。原油高時代を迎え各国政府が燃費と親環境基準を提示し規制に出ている。そこで2種類以上の動力源を使うハイブリッド車が浮上している。

ハイブリッド車は高速で走る時は石油製品を使い、低速で走る時は高速走行時に充電されたバッテリーで走るため一般自動車より燃費が良く、未来の自動車と言われる。日本のトヨタが世界初のハイブリッド車であるプリウスを開発した以後、現代・起亜車をはじめとして後発企業等が開発に参入したが、まだトヨタが先行獲得した特許の壁を越えることができない。
最近、現代車がハイブリッド車両の‘アバンテLPIハイブリッド’をお披露目した。数年前に開発用ハイブリッド車を作ったのに続き、初めて商業化に成功したという評価を受けている。しかし業界では真のハイブリッド車と見るのは難しいという反論も出ている。ガソリン エンジンに電気モーターを装着する世界的傾向とは異なり、LPGハイブリッドをお披露目したためだ。障害者用や営業用にのみ使えるLPGを一般乗用車に使えるようにしたことも‘変則’行為ではないのかという指摘もある。ハイブリッド車の核心である燃費も、リッター当り17.8kmでプリウスの30kmはもちろんホンダシビック ハイブリッドの23.2kmより低い。現代車がお披露目したベルナ ディーゼル(21.0km)よりも劣る。現代・起亜車のハイブリッド車は果たして韓国だけで通じるハイブリッド車なのだろうか?

■燃費の魔術はLPGの安い価格のおかげ?
国内でLPGは税金が少なくガソリン代の半分程度と安い。代わりに障害者や国家有功者,タクシー,レンタカー,乗合車とレジャー用車,そして最近政府が許可した1000㏄以下の軽自動車のみが使える。したがって今回出てきたアバンテ ハイブリッドとフォルテ ハイブリッドは唯一LPGを使うことができる一般乗用車だ。昨年初め、大統領職引継ぎ委員会が2015年まで一時的にLPGハイブリッド車を許可して出すことができた。

現代車はアバンテ ハイブリッドの公式燃費をリッター当り17.8kmと発表した。ところが一般ディーゼルやガソリン車両とほとんど差がないという話が出て、‘ガソリン価格換算燃費’という馴染みのうすい概念を持ち出した。LPG価格がガソリン代に比べて安いので、ガソリン1リットルを注油する費用でLPGを入れた時、それだけ多く走るという論理だ。この尺度を適用する場合、アバンテ ハイブリッドの燃費は38kmにぐんと跳ね上がる。だがLPG価格が上がればすぐに燃費が落ちることになる。燃費が高まったのは結局、現代車の技術力のためではなく政府が価格の安いLPGを乗用車に使えるように許可したためであるわけだ。ある自動車専門家は「現代ハイブリッド車の最も大きい利点は技術的なことではなく、政府の政策のおかげで障害者でない一般人が準中型LPG車両を走らせることができるようになった恩恵」と皮肉った。

■韓国の韓国人のための韓国型ハイブリッドなのか
現代・起亜車は政府の予算支援を受け、日本トヨタに次ぐガソリン ハイブリッド車を2010年までに発売するという目標でハイブリッド車を開発してきた。そうするうちに昨年LPGハイブリッド車量産計画を発表した。現代車側は「4年前にガソリンで開発を始め試験車両まで作ったが、市場にすでに出てきた技術と同等では顧客にアピールすることが難しい」として「既存ハイブリッド車より一段階燃費を上げることが難しいならば、燃費が良いLPGエンジン技術を利用しようと考えるようになった」と説明した。

しかし業界の解釈は正反対だ。ある業界関係者は「ガソリン ハイブリッド車では日本の技術障壁に接近するのが難しいが、市場や消費者の要求ではなく政府や政策の強要などに押されてLPGを選択する判断を下した」と評価した。現代・起亜車がLPGに反転したのは、政府が税制恩恵,補助金支援,公共機関義務購買など有無形の多様な恩恵を与えているので損する商売ではないためと解説される。

しかもLPGを車両燃料に使う国は我が国と日本の他には世界的に珍しく輸出も不可能だ。現代車は「外国の輸出問い合わせが相次いでいる」と話しながらも「採算性を理由に輸出は計画していない」と明らかにした。結局、現代・起亜ハイブリッド車の命運は、国内消費者の手にかかったわけだ。国内消費者は値段の安いLPG車を使う利点が明確にあるためだ。だが、アバンテ ハイブリッド車はフルオプション基準で2410万ウォンであり、税制恩恵を受けても一般アバンテより460万ウォンほど高い。景気のために一銭でも締めようとする消費者が果たしてどんな判断をするか注目される。

キム・ジンチョル記者nowhere@hani.co.kr

原文:https://www.hani.co.kr/arti/specialsection/newspickup_section/366228.html 訳J.S