[ニュースpickup]好奇心プラス
原文入力:2008-12-26午前10:50:23
パク・ヒョンチョル記者
←シン・ジョンア氏
言論相手認定額平均1700万ウォン 1億5千万ウォンならば歴代最高水準
昨年9月13日,<文化日報>はシン・ジョンア(写真)前東国大教授の裸体写真と共に“性ロビーも処罰可能か”というタイトルの記事を載せて一大論争を呼びました。シン氏がビョン・ヤンギュン当時大統領府政策室長と‘不適切な関係’を結んだという疑惑を受けていたが、その程度で写真と記事を掲載する必要があったのか言論界でも首を横に振る人がが多かったです。
当然シン氏は名誉毀損にともなう損害賠償を請求しました。この10億ウォンの名誉毀損訴訟の1審判決が最近出てきました。裁判所は<文化日報>がシン氏に1億5千万ウォンを支給しろと結論付けました。
ところで当初10億ウォンを請求したのに1億5千万ウォンならば大幅に減ったことになり、1億5千万ウォンという金額もこの頃の物価を考えれば相対的に少なく見えます。また言論による名誉毀損が人格殺人水準であることを考慮すれば、補償が少なく見えたりもします。果たして1億5千万ウォンは少ない金額でしょうか?
結論から話せば今回の賠償額は歴代最高水準です。実際名誉毀損賠償額が1億ウォンを越える場合は探すことが困難です。
言論仲裁委員会が出した<2005~2007言論訴訟判決分析>によれば、2007年報道機関を相手どった損害賠償訴訟の平均認定額が1700万ウォンです。最高額は1億ウォンでした。2005・2006年には1億ウォン以上を認めた場合は1件もありません。
名誉毀損訴訟はその特性上、請求金額は非常に高いです。報道機関を相手どった場合、何億は基本で数十億の場合も多いです。昨年言論を相手どった訴訟で原告らが請求した金額は平均4億700万ウォンでした。反面平均認定額は1700万ウォンであったことから裁判所が‘ケチくさい’判決をしたものと見られます。
事実1億ウォンを越える名誉毀損賠償判決は指折るほどです。1997年大統領選候補であった金大中前大統領は大統領選挙前に「金正日,金大中氏の大統領当選を願っている」という記事を書いたある週刊誌を相手に損害賠償訴訟を起こし1億2千万ウォンを賠償しろとの判決を受け取りました。この訴訟は金大統領が後ほど訴えを取り消しなかったこととなりました。
放送人ぺク・ジヨン氏も幾つもない億台賠償を受けました。ペク氏は2000年インターネットに飛び交ううわさを記事にしたスポーツ新聞記者を相手に5億ウォンの訴訟を起こし1億ウォンの賠償判決を受けました。この外に1999年当時ソウル中央地検C某検事が<韓国放送>を相手に受け取った1億ウォン賠償判決もあります。当時イ検事は公務執行妨害容疑で警察が申請した被疑者の拘束令状を棄却したが放送会社がニュースでこれを「納得できない令状棄却」として報道して攻防を行いました。
名誉毀損が致命的である場合でもこのように億台賠償が珍しいのはそれなりに理由があります。被害者が命を失う交通事故や産業災害死亡損害賠償訴訟を見れば慰謝料算定基準が8千万ウォンです。同じように人格的に命を失う名誉毀損も訴訟でこの基準を考慮しています。社会的に死亡する水準の精神的被害を受けた時、8千万ウォン程度の賠償判決が下されてくるということでしょう。そのような点でシン氏の1億5千万ウォンは裁判所が言論に重い責任を問うたと見ることができます。
それでは、このように1億ウォン以上判決さえ珍しいのに、原告らが数億,数十億ウォンずつ請求する理由は何でしょうか?
ある判事は「とんでもなく大きい金額を請求する理由は別にある」と話します。ひとまず数十億ウォンを請求し関心も引っ張って相手の機先を制する効果も期待する戦略ということです。実際には10億ウォン請求して5千万ウォン程度だけ受けてもなかなか良い結果と言えるでしょう。
パク・ヒョンチョル記者 fkcool@hani.co.kr